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まずはみなさん、もう知ってるかもしれないニュースから。

CORSAIRは2026年8月5日、SIMレーシング・フライトシミュレーター向けコクピットメーカー「Trak Racer」の資産を取得したと発表した。
Trak Racerは今後、Fanatecを補完するブランドとしてCORSAIRのポートフォリオに加わる。
Fanatecがホイールベース、ステアリング、ペダル、シフターなどの電子機器を中心に展開しているのに対し、Trak Racerはアルミフレームやパイプフレームを使ったコクピット、シート、モニタースタンド、モーションシステムなどを展開している。
両ブランドを組み合わせることで、CORSAIRはデバイスだけでなく、コクピットまで含めたSIMレーシング環境全体を提案しやすくなる。
僕自身は、アルミフレームを使ったレースSIMコクピットを設計し、DIYで製作した経験がある。
ただ、アルミフレームコクピットが欲しい人全員にDIYを勧めたいとは思っていない。
むしろ、設計や試行錯誤そのものを楽しみたい人でなければ、Trak RacerやDRAPOJI、Fanatecなどが販売している市販コクピットを選んだ方が合理的だと思っている。
この記事では、CORSAIRによるTrak Racerの資産取得について紹介するとともに、実際にアルミフレームコクピットを自作した経験から、市販品、DIY、個別設計の違いについて考えてみる。
現在、CORSAIRがFANATECブランドで展開しているコクピット
※上記のFanatec公式ストアでは、クーポンコード「MASK」を使用すると新製品や整備済製品含め対象製品を5%OFFで購入できる。(クーポンの使い方)
また、FANATECの国内正規代理店ZENKAIRACINGでもFANATECのコクピットを購入できる。
CORSAIRがTrak Racerの資産を取得(買収)
Trak Racerは2008年に設立された、オーストラリア・メルボルンを拠点とするSIMレーシングブランドだ。

アルミフレームコクピットをはじめ、比較的手頃な入門向けモデルから業務用に近い本格的なコクピットまで、幅広い製品を展開している。
今回、CORSAIRが取得したのはTrak Racerの「資産」と発表されている。
CORSAIRの発表では、Trak RacerがFanatecを補完するブランドとして加わり、両社の製品を組み合わせた、より完成度の高いターンキー型SIMレーシング環境を提供していく方針が示されている。
ターンキーとは、必要なものがあらかじめ組み合わされ、導入後すぐに利用できるような製品やシステムを指す。

これまでFanatecは、ホイールベース、ステアリング、ペダル、シフターなど、SIMレーシングに必要な主要デバイスを幅広く展開してきた。
一方でTrak Racerは、これらのデバイスを取り付けるためのコクピットを得意としている。
両ブランドの役割は比較的分かりやすい。
- Fanatec:ホイールベース、ステアリング、ペダル、シフターなど
- Trak Racer:コクピット、シート、モニタースタンド、モーションシステムなど
今回の資産取得により、CORSAIRはSIMレーシング環境の大部分をグループ内の製品でそろえられるようになる。
CORSAIRはフライトシミュレーター分野にも参入
Trak Racerは、SIMレーシング用コクピットだけでなく、フライトシミュレーター用コクピットも展開している。

CORSAIRは、Trak Racerの「TR550 Flight Simulator」を、同社がフライトシミュレーター分野へ参入するための足掛かりとして位置付けている。
頑丈なフレーム、操作機器の設置、モニター、振動装置、モーションシステムなど、レーシングシミュレーターとフライトシミュレーターには共通する技術も多い。
今回の資産取得は、Fanatecの商品ラインナップを補完するだけでなく、CORSAIRがシミュレーター市場全体へ事業を広げる動きでもある。
なお、Trak Racer創業者のMatt Sten氏は、CORSAIRのSim Solutions部門におけるCTOに就任している。

Fanatecはすでにコクピットを販売している
Fanatecはホイールベースやステアリングだけでなく、すでに自社ブランドのコクピットも販売している。

現在の主なラインナップは、比較的コンパクトな「CSL Cockpit V1.5」と、より本格的な「ClubSport GT Cockpit」だ。

CSL Cockpit V1.5は、アルミチューブとスチール製ブラケットを組み合わせた構造を採用している。
Fanatec製のダイレクトドライブホイールベースに対応し、ロードセル式ペダルの使用も想定されている。専用シートやモニターホルダーなども追加できる。
ClubSport GT Cockpitは、直径50mmのスチールパイプを使用したコクピットだ。
ステアリング、ペダル、シートの位置を調整でき、一般的なGTスタイルからセミフォーミュラに近いポジションまで対応する。
つまり、Trak Racerの資産取得によって、Fanatecが初めてコクピット分野に参入するわけではない。
今後は、Fanatecが現在販売しているコクピットとTrak Racer製品をどのようにすみ分けるのかも注目したい。
僕はアルミフレームコクピットを自作した
僕自身は、市販品ではなく、アルミフレームを使用したレースSIMコクピットを設計し、製作した。
使用するアルミフレームのサイズや長さを決め、シート、ステアリング、ペダル、シフターなどの位置関係を考えながら、必要な部品を選定した。(当時、どれだけSIMを続けるかわからなかったし、必要最低限かつコンパクトな設計にしてみた。)

自作のメリットは、自分が使用する機材や設置場所に合わせて構成を決められることだ。
必要になればフレームやブラケットを追加でき、市販品では実現しにくい構成にも対応できる。
一方で、僕が設計できた背景には、ある程度機械や工学について学び、仕事でもそれに近い経験をしてきたことがある。
図面を作ったり、部品の組み合わせを考えたりすることに、あまり苦手意識がなかった。
この前提がない人にとっては、アルミフレームコクピットのDIYは、想像しているよりも大変な可能性がある。

アルミフレームのDIYは意外と考えることが多い
iPadの無料ソフトで、位置関係を検討してみたときの図。この時はステアリングやペダル、モニタの位置関係さえ確認できたら良いという思いだったので、これ程度のもので許してください。

アルミフレームは、必要な長さの材料を購入し、ブラケットとボルトで接続すれば形になる。
しかし、一から設計する場合は、単純に四角い枠を作ればよいわけではない。
使用するホイールベースの取り付け方法、ペダルから加わる力、シートの高さ、乗り降りのしやすさ、モニターまでの距離などを考える必要がある。
実際に組み立てるまで気付きにくい問題もある。
フレーム同士や機材が干渉したり、ボルトの長さが合わなかったり、必要なナットやブラケットが不足したりすることもある。
組み立てた後でポジションが合わず、フレームを追加発注する可能性もある。
設計や組み立てを楽しめる人にとっては、この試行錯誤もDIYの面白さになる。
しかし、早くコクピットを完成させてSIMレーシングを始めたい人にとっては、負担の大きい作業だ。
材料費だけを比較すれば、自作の方が市販品より安くなる可能性はある。
ただし、調査、設計、部品選定、発注、組み立て、修正に使う時間まで考えると、市販品との価格差だけで判断できるものではない。
実は、「Trak Racerのような市販品でもいい」と思っていた
僕はアルミフレームコクピットを自作したが、すべての人にDIYを勧めようと思っているわけではない。
単純に頑丈で調整可能なアルミフレームコクピットが欲しいのであれば、Trak Racerのような市販品でいいのではないかと以前から思っていた。
国内にも、長谷川工業が展開する「DRAPOJI」というアルミフレーム製コクピットがあり、本メディアでも、たまに名前を出すこともあった。
DRAPOJIは、アルミフレームを使用しているため、DIYのアルミフレームコクピットと同じようにシート、ステアリング、ペダル、シフターの位置を調整できる構造になっている。
このような市販品では、必要な部品があらかじめ選定され、組み立て方法も用意されている。僕がSIMレーシングを始めた当時は、いつまでやるかわからないし、と思い、しっかりとした剛性があるコクピットは導入したいもののいかに安価にスタートするか、撤退するとしたら処分できるのか、という結構保守的な視点でDIYに辿り着いた。(最悪アルミフレームは誰かバラバラにして送れば引き取ってくれそうだし、FANATECであればメルカリやヤフオクでも高値で売れそうだったから)
まだSIMレーシングについて、どこまでのめり込むかわからなかった当時の僕からすると、いろいろと揃えると結構な価格になってしまうので、市販のアルミフレームコクピットは選択肢に入れることができなかった。
今、SIMに対するコストって、結構かかるよな、と感覚がバグってきているので、市販品のコクピット含むSIM用品の価格に慣れてきてしまっていて、「これぐらいなら、市販品買った方が絶対楽」と思うようになってきた。(DIYの手法を知っている身からすると、SIMショップのオーダーメイドのコクピットは高価に感じられるが、レースのサポートやSIMショップとのつながり・ベテランからのサポートも込みで考えると、一つの選択肢に入れても良いと思う)
製品によっては、対応するホイールベースやペダル、シートなども明示されている。
アルミフレームコクピットが欲しい人全員が、一から図面を作って部品を発注する必要はない。
僕自身はTrak Racer製品を使用したことがないため、剛性、組み立てやすさ、品質、細かな使い勝手までは評価できない。
それでも、Trak RacerやDRAPOJIのような市販品がすでに存在する中で、僕は無理に、DIYを推し進める必要性はあまり感じていなかった。
本当に汎用性のある自分だけのコクピットを作りたいという熱意のある(変態な)方向けに僕が自作したアルミフレームコクピットの設計内容について、参考資料として公開している。
しっかりと自分に必要なものを厳選し、自分で作った方が数万円は節約になるし、一度方法を覚えると、追加で部材を購入してカスタマイズできる。写真のようにモニター台の裏にPCケース置き場を安価に追加することもできた。(当時、5000円程度だったか)

詳細を知りたい方↓

アルミフレームコクピットの設計を依頼されたこともある

最近、公開している設計を見た方から、使用する機材や希望に合わせて、アルミフレームコクピットを個別に設計してほしいという問い合わせを受けたこともある。
僕が作ったコクピットをベースに、使用するホイールベース、ペダル、シート、シフター、将来導入する予定の機材などを確認しながら、希望する構成へ変更することは可能だと思う。
ただし、SIMレーシングコクピットの設計を本業にしているわけではない。
ほかの仕事やメディア運営などもあるため、問い合わせを受けてすぐに設計を始め、短期間で納品できるとは限らない。
また、個別設計では、依頼者の希望を確認するだけでなく、使用機材の仕様、設置スペース、必要な調整範囲、将来の拡張なども考える必要がある。
打ち合わせや図面修正が複数回発生する可能性もある。
完成済みの図面をそのまま渡すのではなく、依頼者の希望に合わせたフルオーダーメイド設計になるため、1万円や2万円で簡単に引き受けられる作業ではない。
問い合わせを受けた際には、制作開始はプライベートが落ち着くX月以降になるし、実際に引き受ける場合は設計料として”秘密”万円程度になると伝えた。(色々検討してそれでも、頼みたいのならそのX月ごろに連絡してみてください、と)
同時に、既存の市販コクピットを購入する方法や、公開している設計を参考に、自分でDIYする方法も案内した。あと、SIMショップさんや誰かすぐに対応してくれる人を探してもいいかも、ともお伝えした。全く商売っけがないw。(今忙しいから、この記事を読んで、「DIYしたいんだけど、どうすればいいですか?いろいろ教えてください!(タダで!)」みたいな質問されても答えられないよ)
個別設計が適しているのは、市販品では対応しにくい明確な理由があり、自分で一から設計することも難しい場合だと思う。
市販品、DIY、個別設計のどれを選ぶべきか
コクピットの入手方法は、大きく分けると次の3つになる。
| 方法 | メリット | デメリット | 向いている人 |
|---|---|---|---|
| 市販品 | 部品選定や設計の負担が少ない | 特殊な構成には対応しにくい。 | 早く確実に完成させたい人 |
| DIY | 自由度と拡張性が高い | 設計、発注、修正に時間がかかる | 設計や工作も楽しみたい人 |
| ショップや誰か個人に個別設計を頼む | 希望に合わせた構成にできる | 設計料と打ち合わせが必要。少なくともDIYよりは高価になる。 | 市販品では実現できない構成が必要な人 |
どの方法が優れているという話ではない。
重要なのは、自分が何に時間とお金を使いたいかだ。
設計や工作もSIMレーシング趣味の一部として楽しみたいのであれば、DIYは魅力的な選択肢になる。
一方で、目的がレースを走ることであり、設計や部品選定に時間を使いたくないのであれば、市販品を購入した方がよい。
Fanatec製品を使う場合のコクピット選び
Fanatecのダイレクトドライブホイールベースを使用する場合、机への固定よりも、専用コクピットへ固定した方が安定した環境を作りやすい。
特にロードセル式ペダルや高トルクのホイールベースを使用する場合、ステアリングだけでなく、ペダルやシートも動かない環境が重要になる。
Fanatec製品を中心にそろえるのであれば、同社のCSL Cockpit V1.5やClubSport GT Cockpitは分かりやすい選択肢だ。
一方、アルミフレームによる高い拡張性を重視するのであれば、Trak RacerやDRAPOJIなども候補になる。
すでに使用したいシートやモニタースタンドが決まっている場合や、将来的にモーションシステム、トリプルモニター、シフターなどを追加する場合は、拡張性も含めて比較したい。
コクピットだけを見るのではなく、最終的にどのホイールベース、ペダル、ステアリングを取り付けるかまで考えて選ぶ必要がある。


Fanatec製品は公式ストアとZENKAIRACINGで購入できる
Fanatec製品は、日本のFanatec公式ストアから直接購入できる。
本メディアのクーポンコード「MASK」を使用すると、対象製品を5%OFFで購入可能だ。
クーポンコード:MASK
近々、Fanatec公式ストアからダイレクトにTrak Racerのコクピットが注文できるようになる日が来るかもしれない。
また、Fanatec製品は国内正規代理店のZENKAIRACINGでも販売されている。
ZENKAIRACINGは2025年にFanatecとの正規代理店契約を締結し、公式オンラインストアでFanatec製品や独自のセット商品を販売している。
価格、在庫、セット内容、キャンペーンなどを比較したうえで、自分に合った購入先を選んでほしい。
どのFanatec製品を選べばよいか分からない場合は、以下の記事でホイールベース、ステアリング、ペダルの違いや、おすすめ構成を詳しく紹介している。
まとめ
CORSAIRはTrak Racerの資産を取得し、Fanatecと組み合わせることで、デバイスからコクピットまで含めたSIMレーシング環境を展開する方針を示した。
Fanatecはすでに自社ブランドのコクピットを販売しているが、Trak Racerが加わることで、アルミフレームコクピット、モニタースタンド、モーションシステムなどの選択肢がさらに増える可能性がある。
僕自身はアルミフレームコクピットを設計し、DIYで製作した。
自由度と拡張性は自作の大きな魅力だが、誰にでもDIYを勧めたいとは思っていない。
設計や試行錯誤を楽しみたい人や、市販品では対応できない構成を作りたい人にはDIYが向いている。
一方、一般的な構成で頑丈なコクピットが欲しいのであれば、市販品を選ぶ方が合理的だ。
SIMレーシングで本当にやりたいことが設計なのか、それとも走ることなのか。
そこを考えたうえで、自分に合ったコクピットを選んでほしい。
Fanatec公式ストアで製品を確認する ←クーポンコード:MASK
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