以前提供を受けてレビューしたMOZAのCRP2ペダルは、ロードセルセンサーは15bitと十分高分解能なセンサーが使われ、一つ一つのパーツは新しさがありました。到着前は、MOZAの最高グレードのすごいものが送られてくる!と思っていました。
レビューをすると足がそこまで大きくない僕(靴は25cmサイズ)にとって、気になる部分が出てきました。どんなに標準のペダルプレートの位置を下げても、”かかと”をヒールプレートにつけている限り、アクセルやブレーキを踏む際に、足の母指球と指の位置でペダルを踏むようになり、いまいちペダルに力を伝えることができませんでした。できれば、足の裏全体を使って踏めたらななんて思っていました。また、アクセルを踏み込む際には、靴を履いた状態でも”かかと”が浮き、ペダルが戻る際にヒールプレートに”かかと”が引っかかったりしました。
そういうフィードバックをしたためか、MOZA Racingさんより、追加のペダルプレートを送ってもらうことに。「CRP2 Full Length Throttle Replacement Plate」です。直訳すると「全長のアクセルペダルの交換プレート」です。
無償で送ってもらっていますが、特に「記事を書け」とか言われていません。ペダルのレビューって、結構大変なのもあり、この記事は作成までに意外と時間がかかってしまった記事です。(1日で一気にやれればいいんですが)読者の方にとっても、何かメリットがあるかも知れないと思い、頑張って書きました。
製品価格29ドル。(上記リンクから買っていただくと、僕にとってほんのわずかなお小遣いになります。無理して買う必要はありません。必要だとお思えばご購入ください。)
開封・取り付け
取り付けは特に、苦労なくできると思います。
既存のペダルの裏から2本のボルトを外し、ペダルを付け替えるだけです。
この際、ペダルプレートの角度も見直してみてください。
僕の場合は、プレートを延長線上に”かかと”が来るように調整しました。
以下は、ビフォー・アフターです。
気になっていた点:各ペダルの支点の位置とペダルの高さ
MOZA CRP2ペダルのアクセルは、標準の状態で、そこまで踏力を必要とせず、結構奥まで踏み込めるようになっています。これはどのSIMペダル共通だともいます。
ペダル取り替え前はアクセルを踏む際にかかとが浮く
僕のポジションでは、アクセルペダルを踏みこむと、奥までペダルが寝ていくわけです。それとともに、足が奥まで持っていかれ、”かかと”が浮きます。
気になっていたのは、”かかと”が浮くことと、ペダルが戻る際にかかとの部分がヒールプレートに引っかかり、あまり快適とは思えませんでしました。
どうにかしようと、一番低い位置に標準のペダルプレートがくるように調整したりしましたが、上記の問題は解決せず。ということで、CRP2のレビューとしては、100点満点で褒めちぎるようなことはしていなかったと思います。
前回のレビューを見ていただければわかると思いますが、理由の一つとしては、ペダルの支点(赤m流部分)がヒールプレートに対し奥にあるということが影響していると思います。
これらの感想には、僕の体格や、ドライビングポジション(着座位置の高さ等)が影響している可能性があり、人によって意見が異なる可能性があることは書いておきます。
硬いブレーキなら、標準のプレートでもあまり気にならない
ちなみに、SIMレースにおいて「ブレーキが硬ければ硬いほどいい」と書かれた書籍もあります。実車の練習ではなく、SIMレースのタイムアタックででコンマ何秒を争ったり、安定性を重視するためにマッスルメモリーを使用するためには、足の裏に全神経を集中させ、その圧力を感じ取るために「圧力」というパラメーターが一つの方が効率が良いのでしょう。もしペダルが大きく動いたら、「圧力」と「位置」という2つのパラメーターを脳内で変換して、今自分がどれぐらいペダルを踏んでいるか考えないといけないわけですから。
そこで、CRP2ペダルのブレーキを固いものにした場合、多少足が痛くなるぐらいペダルを踏み込んでもほとんど動きません。するとペダルが倒れないわけです。となると、必然的に”かかと”は浮きません。この状態であれば、”かかと”問題は気にしなくてよくなります。
ペダルの位置が高めだと思うので、薄い靴や靴下などであれば、もうちょっと足全体で踏み込みたいと思うかもしれません。ドライビングシューズだとあまり気にならないでしょう。
オプションのアクセルペダルプレートにより、”かかと”問題が緩和
一方、標準の状態では、ポジションが僕には合わずいろいろとレビューがし辛かった(笑)CRP2ペダルですが、ペダルプレートにより僕の体型でも「使えるかな」というレベルになりました。
オプションのアクセルペダルにより、ペダルが戻る際の”かかと”の引っ掛かりが無くなりました。
これは、後に示すペダルの角度調整を行ったことも要因の一つかも知れません。
ブレーキペダルにも使用は可能
ブレーキペダルにも取り付けできました。一応、このプレートは「Throttleペダル交換プレート」という名前が付いている通り、アクセルペダルを交換することを想定された製品のようです。前述の通り、ブレーキの場合はペダルがあまり動かないため、ブレーキに長いペダルプレートを使ってもあまり意味を感じませんでした。(多少は踏む際に楽になりますが、費用対効果は微妙な気はします)
それよりは、ペダルの角度をしっかり調整することをお勧めします。
ペダルプレートの取り付け部分は増し締めしましょう
個人的にペダルプレートの”かかと”の部分と、ペダルの面が直線的になるように配置したいと思い、ペダルプレートに角度をつけました。この角度をつける際に、ペダルプレートの根本部分のボルトを一本緩めて固定するわけです。
ペダルプレートの根本の部分にある部品には溝が彫られています。その溝の範囲でペダルを動かすことができ、ペダルに角度を付けられます。この構造は高価なSimucubeのアクティブペダルでも同様です。
一つ一つの穴が空いているわけではなく、溝を使って、スライドしながら角度を合わせ、その角度が定まればボルト締めを行い固定する方式です。
このペダルの固定方法ですが、M5のボルトを左右2本で固定しています。何度も強い力で踏み込むペダルですので、もしこのボルトが緩んでくると、ペダルプレートがスライドし、一番ペダルの角度が直角になるような位置に押し込まれてしまう可能性があります。
大事なレースの時に緩んでくると、ペダルを踏んだ際にペダルの角度が垂直になってしまい、100%の力が出しにくくなる可能性があります。
この構造はMOZAのペダルだけでなく、他のペダルにも見られます。たまにはいろいろなボルトの増し締めをしてみましょう。
また、日々の増し締め等のメンテナンスをしていれば防げることだと思います。
これらを改善するには、大事なレースの前にはしっかりと増し締めしておいたり、耐久レースのような場合は、溝の中に部材を詰めて、たとえボルトが緩んでも、ペダルの角度が大きく変わらないようにするといった方法もあるかも知れません。
ペダルプレート導入後のCRP2に対する感想まとめ
発売前からCRP2提供してもらいテストしていますが、今回検証で気づいたのは以下の3点です。
・CRP2はどちらかというと足が大きめな人が向いている気がします。
・アクセル用のオプションのペダルプレートを装着すると、足がそこまで大きくない人でもアクセル操作が楽になると思います
・ペダルに角度をつけた場合は、ボルトの増し締めを適宜しておいた方がいいかも
やはり、支点と”かかと”の位置が近い方が、操作する上では楽になりそうに感じます。(僕はレーサーでもなく、ただ単にSIMレースをエンジョイしたいだけの人間なので、参考までに。)
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