前回の記事で組み上げたこのFanatecのSparcoフォーミュラーステアリングとボタンモジュールラリーですが、今回はその設定や、iRacingで実際に使った感想を書いてみたいと思います。



このボタンモジュールラリーについては、そもそも本物のラリーカー用に最適化され、実戦でも使用されている部品なので、フォーミュラー用に使うとなると制約がちょこちょこあることに気づきましたw
これは、このステアリングを組んだ時の内容をまとめた記事です。
Fanatec Button Module Rallyのファームウェアの更新
まず、Button Module Rallyですがファームウェアを最新の状態にしましょう。
現在のFanatecのファームウェアのバージョンが、464でした。安定しているとされているドライバはこちらからダウンロードしてください。

そしてFanatec Control PanelでUpdateを行います。この通り、Button Module Rally(BMR)だけ、赤色表示になって、「ファームウェアを利用できます!」書かれています。右の緑色の「UPDATE」をクリック。

すると、447ドライバーまたは3.0.0.1ファームウェアより古いバージョンまでダウングレードした場合は、ファームウェアーマネージャーというのが必要とのこと。勝手に、昔のドライバーのソフトウェアを使ってダウングレードしたらダメよって書いています。

OKみたいなのをクリックすると、UPDATEが始まります。1分ぐらいかかったでしょうか。

これで、ファームウェアのアップデートは終了します。
ボタンの色の変更はFanalabで
Fanalabというソフトを使用すると、ボタンの色や輝度を変更することができます。
下部にある3つのロータリースイッチのいちばん上の数字の部分もそれぞれLEDを発光することもできます。


Fanatec Sparcoフォーミュラステアリング、Button Module Rallyの装着
ということで、取り付けてみて、iRacingでSuper Formula Lightsでやってみました。
さすがに、発売から1年程度経過しているので、ほとんどのバグは治っているだろうと思って導入しましたが、液晶の表示のバグが治っておらず、目立ちますね。
下の写真では 0[0 という表示になっており、何を示したいのかわかりません。現状、速度や、シフトポジションなどの情報が適切に表示されません。カッコ悪いので早く直して欲しいですね🤔
ファームウェアアップデートで修正されたらお知らせしたいと思います。

すでにファームウェアの更新はしていますが、特に変わらず。ベータ版の公開や次回のUPDATEを待つ必要がありそうです。

今の所(2025年3月2日時点)すでに、公開されている464が最新のようですね。
2024年末においても、BMRについて問題があることが指摘され、Fanatec側も認識はしているよう。

Fanatec Sparco Formulaの剛性感について
剛性感については、全く問題ありません。Podium Hubを使い、クイックリリースはQR2(標準)を選択しているため、しっかりとステアリングはホイールベースと接続されています。また、金属メインのステアリングなので剛性については余裕が感じられます。

今回、最大15Nm発揮するClubsport DD+(CSDD+)に接続して遊んでいます。CSDD+にシャフトエクステンションを追加し、ドライビングポジション設定の自由度を上げています。

シャフトについては、通常1万5800円で売られているシャフトが、(おそらく)Fanatec側の設定ミスで170円になっているところポチったら、本当にその価格で送ってきてくれたのでそれを使用しています。

その分、ブラックフライデーで、新型のV2ハンドブレーキを人柱購入したり、今回の奇抜なセットも購入したので、許してもらいましょう。これらはどれも定価でFanatec側の利益もある程度出るでしょう。
※このハンドブレーキですが、ロードセルブレーキ化されブレーキが重いと言われていますが、”しっかりとした剛性感あるコクピットなら”ロードセルでブレーキをコントロール性が向上しているので、先代のV1.5と比べるとしっかりと進化が感じられる一品です。高くなってしまいましたが。
さてさて、話を戻しましょう。
Clubsport DD+の15Nmでも強度は余裕
項目の冒頭で書いたように、Sparco Formulaの剛性感・強度は十分な余裕が感じられます。持ち心地としても、1時間ぐらいClubsport DD+のMAXのトルクでいろいろ試しながら遊んでいました。

手によくフィットするステアリングで、特にどこか痛くなると言うことはありませんでした。Classi 2リムとかだと、親指あたりのところが鋭角で痛くなりましたが、このSparcoについては角が取れているので、フィット感が良かったです。(他のステアリングも基本的には角が取れていると思います)



厚めのパネルの操作感
十字キーやボタン等、親指メインで操作することになると思いますが、特に大きく困ることはありませんでした。ちなみにドライビングしながら、左右それぞれの十字キーと、一番近い押しボタン1個(下の画像で言うと、A/Dと、HYBのボタン)にはそのまま親指が届きます。
ただし、それ以外のボタンはグリップから手を離す必要があるでしょう。Button Module Rallyは23mmぐらいの分厚さがあるので、一体式のステアリングに比べたら親指ですぐにアクセスできるボタン数は少なくなります。

分厚くなって、塊感があって、僕は結構好きです。
一方、Formula V2.5(X)については、親指あたりにロータリースイッチがついていたり、左右それぞれ3つ親指の上にボタンがついていたりします。長く発売されているモデルだけあって、ボタンのアクセスの良さはFormula V2.5に軍配が上がりそうです。

CSLDDやGTDDPRO 8Nmまでのトルクなら、すごく高剛性を求めなくても、Formula V2.5(X)の方がリーズナブルかつボタンもいっぱいで軽いし、バランスが良いかもしれません。(剛性感を上げるバージョンアップや素材の変更もして欲しいところ)

私の場合は、今回のステアリングにAdvanced Paddle Moduleをつけているので、パドル以外に上部に2つのボタンもあります。パドルのアクセス性は非常に高いので、頻繁に使う機能に割り当てたりすると良いかなと思っています。


走りながら手元でのFFBを調整できる
Fanatecの良い点として、手元でFFBの各種パラメーターを調整できる点です。下の写真だとみづらいですが、中央の液晶画面のすぐ右に黒い小さなボタンがあるので、それを押すと、以下のような表示となり、左の十字スティックでモードを選択し、各種のパラメーターを左十字スティックの上下で調整します。ロータリースイッチを兼用しているような十字キーが搭載されているモデルだと、そのキーを回転することでパラメーターを変えることができたのですが、Button Module Rallyについては十字キーの上下を押していく必要があります。
まぁ、Podium Hub単体だけではできなかった手元でFFBを調整できるようになっただけでも相当なアドバンテージができたことは確かです。(基本的にPodium Hub単体以外のFanatecのステアリングは、手元でFFBを調整できます)


Fanatec Button Module RallyにはエンジンRPM用のLEDがない!
装着して、「あっ、これ不便だな」と思ったのがエンジンRPM用のLEDがないことです。大体のモデルには、RPM用のLEDが付いているので、これもあれば良かったのですが、おそらくFordのラリーカーにそもそもつけることが優先してデザインされているので、その際にRPMのインジケーターが不要だったのでしょう。
フォーミュラーカーの場合、ステアリングに情報を詰め込んでいる場合があるため、どうしたものか、と思って色々試行錯誤した結果、以下2つの方法に行きつきました。
規定回転数になると、各ボタンの色を変更するように設定する。
Fanalabを使用すると、通常は上に紹介しているような色の組み合わせのLEDにしておき、指定した回転数になると、全てのボタンの色を赤色にするように設定しました。これによって、一目でシフトアップタイミングを知ることができます。各ボタンごとに回転数や色の指定は可能なので、いろいろやりようはあると思います。
でも手間かかりますね。

※Fanalabのこの画面で現在使用している車のデータをロードし、設定後Saveを押せば次も同じ設定となる。

Fanatecアプリを使用してダッシュパネルを設置
iPhone(iPadも可)やアンドロイドで、Fanatec Appをインストールをすれば、下の写真の右にあるようなダッシュパネルを簡単に表示できます。こういうのを利用する手もあるかと思います。
PCと同じアクセスポイントにWifi接続していれば、結構自動的にIPアドレスを取得してSIMソフトと連携して、テレメトリー表示をしてくれます。僕はもう使わないiPhoneを固定することにしましたが、メインで使っているスマホをいちいちセットするのは大変だと思います。

なんなんだ。0[0表示。。。
GTカーなら、エンジンRPM用のLEDは不要かも
車内にメーターがあるタイプの車種なら、RPMのインジケーターもあるためそこまで気にすることはないかもしれないですね。でも。やっぱりあったら便利ですよね。

ボタンが光らなくていいのなら、エンジンRPMランプがついており、剛性も確保されているこれも選択肢になりうると思いました。

予備のブランクのボタンをどう活用すべきか
写真の右下を見れば分かる通り、白い予備のボタンが6つ9つ、文字付きのボタンが2つあります。(写真では6つですが、付属の袋の中に隠れていたみたいで、合計11個です)

この予備ボタンについて、Fanatecのオプション品である、ボタンキャップに同封されているシールは使えそうか?という質問をいただきました。

昔セールの時に1セットだけ入手したものがあったので、試しに予備のボタンを載せてみました。サイズはピッタリです。粘着力的には貼れると思います。

ただし、そのまま貼るとあまりにもサイズがぴったりなので、一部ハミ出てピラピラして剥がれやすくなると思います。なので貼る前に極限までカットした方がいいかなと思います。もう一つの難点は、このオプション品の価格です。プラスチックのボタンキャップと、ちょっとしたボタン用のシールだけなのに、現在5800円もしますので、あまりお勧めできませんw
※僕はセールの時に800円で買ったので…あまり罪悪感なく使えますが。
テプラでボタン用のシールを作ってみた
シールだけのためにこのオプション品を買うぐらいなら、そのお金でテプラと透明テープを購入した方が幸せになるかもしれません。自分の必要なシールをいっぱい作って、ベタベタステアリングに貼れるし。
下の写真の真ん中にあるのが、Botton Module Rallyの予備のボタンです。手前のDRSですが、9mmの透明テープに8ポイントの太文字を印字して、角も丸めるようにカットすると問題なく貼れました。大きめのDRSはおそらく12ポイントぐらいの文字だったと思います。これだとボタンからはみ出ました。

※今回は、高解像度モデルの以下のテプラで作成しましたので、もし、比較的リーズナブルなテープ作成機だと、印字が粗いかもしれません。このテプラ、昔は1万円ぐらいだった気が。(安いモデルなら5000円ぐらいであります)
高解像度モデルのテプラだと、Fanatecのボタンキャップのセット買うより高くなっちゃいますね。安いテプラだとボタンキャップと同じぐらいの価格で手に入りますが、印字の解像度が荒いかもしれません。なので、自宅にテプラと透明テープがあるような方のみ試してみてもいいかもしれません。
一番左の緑色のボタンが今回作成したDRSボタンです。意外と使用に耐えられそうな気がしています。
※ボタンは引っ張ると簡単に外れます。



Sparcoのマークは目線の位置からだと見えない
上の写真を見たら分かる通り、Sparcoの文字が、Button Module Rally(BMR)の影に隠れて、見えませんw
もしSparcoマークを常に目にしたいという人がいるなら、このBMRは適さないでしょう。その場合は、Clubsport Universal Hub V2あたりにSparcoステアリングを装着するのがいいのではと思います。(CS Universal Hub V2にAdvanced Paddle Moduleを組み合わせると、現状のファームウェアでは上のパドルが反応しないらしい)

そうすると、こんな感じのステアリングの表面のFマークやスパルコマークを残すことができます。

あとで追加したければ、Clubsport Universal Hub V2ならBMRを追加することもできます。(CS Universal Hub V2にAdvanced Paddle Moduleを組み合わせると、現状のファームウェアでは上のパドルが反応しないらい。また、BMRとUniversal Hubのボタンが被って、思ったよりボタンの機能が増えないかもしれない。参考は以下のページで。)
大型カラー液晶パネル付きのステアリング
Fanatecで大型のカラー液晶画面が付属したステアリングを導入するためには、現状、超高価な以下のステアリングしかありません。

今後、大型液晶画面付きのフォーミュラ型のステアリングも出してくるんじゃ無いかな!?とは思っていますが、安くても20万円ぐらいしそうな気がしてなりません。
社外品の液晶付きステアリングは?
社外のものが気になる人もいるでしょう。Fanatecのホイールベースを使用することを前提としてメリットデメリットを書いていくと、
メリットとしては、メーカーによってはリーズナブルに導入できるものも多いと思います。(一部、剛性が低いものもあるそうなので注意。)
デメリットが結構あって、プレステ・XBOX非対応になります。FanatecのFFB調整が手元では行えなくなるので、FanatecのスマホアプリやFanatecコントロールパネルから調整する必要がでてくる、ケーブルがステアリングから伸びてくるという感じでしょうか。
ステアリング用のソフトウェアを起動しなければならない。あと、クイックリリース等を継ぎ足して装着することになるので軸が長くなり、他のステアリングへの交換時にドライビングポジション合わせが大変になったり・・・と、挙げると結構制約が増えます。
この辺のことを天秤にかけて、大型液晶付きのフォーミュラーステアリングが欲しい方は、どうしようか考えれば良いかと思います。
まとめ
今回、Sparco Formulaステアリングと、Button Module Rallyを導入したので、使用し、感想を書いてみました。
・Formula V2(現行はV2.5X)に比べ、剛性の向上が体感でき、光ります。また、Sparcoステアリングは持った時に手に馴染んだ感じがしました。一方、価格が多少高価になること、ボタンの数が少なかったり、RPMのランプはないので、Formulaカーの運転時にはランプが欲しくなるので工夫が必要です。(あるRPMになればボタンLEDの色を変えるようにする等)
・液晶表示のバグが治っていませんでした。これについては、次回アップデートを待つ必要がありそうです。
今回私が導入したセットがオススメか?と言われると、ある程度SIMをして、「ボタンって意外とそんなに要らないよね。やりようはいっぱいあるし、スイッチボックスも別に用意しているし」と達観した人にとっては、剛性はしっかりあるし、何よりSparcoのフォーミュラーステアリングと形状が同じでホールド性が良く感じるでしょう。あと光る。ヨーロッパ系の他のブランドに比べると内容を考えるとリーズナブル。中華系のものに比べると高く感じるかもしれませんね。ボタン多い方がいいよね!って方にとっては、ちょっとボタン少ないぞ!と感じるかもしれません。
Sparcoのステアリングは、出たらすぐ在庫がなくなるので(というか割り当て数がとても少ないから?)、たまにチェックしたら良いかと思います。
そんな感じです。
今回のステアリングの構成
以下が今回のステアリングの構成です。Podium HubをClubsport Universal Hub V2(Advanced Paddle Moduleを組み合わせると、現在のファームウェアだと上の2枚のパドルが反応しないらしい)にしたり、パドルを普通のマグネティックパドルにしたり、ステアリング自体を変えたり、用途に応じて組み換えることもできる楽しさはあるかもしれません。Button Module Rallyの表示バグが治ってないのは、早くファームウェアを修正してほしいところですね。




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