8月1日に破産申請したEndor AG社ですが、2024年8月16日に、公式のプレスリリースを出しました。
そのプレスリリースによると、まず破産のプロセスを担当するコンサルティング会社、弁護士の紹介があり、その後、買収の条件として、ライセンス料(プレイステーション・XBOX・F1・WRC・マクラーレン・BMW等?)や、クリスマス商戦に向けた製品製作?への前払いの必要性が書かれています。現在、30を超える投資家からの反応があり、話し合いが行われていることが発表されています。
※↓FANATECとは、PC、プレステやXBOXに対応したハンドルコントローラーを製造しているドイツの会社のブランド。
以下が、そのプレスリリースです。
goetzpartners Corporate FinanceがEndor AG向けの販売プロセスを開始
ランツフートを拠点とするSimRacingスペシャリストのEndorは、ミュンヘンを拠点とするコンサルティング会社goetzpartners Corporate Financeとともに買い手を探しています。
ランツフート、2024年8月16日– Endor AGは、ゲーム機やPCでのレースシミュレーション用機器を提供する世界有数の企業です。高級ステアリングホイールやペダルなどの製品は、FANATECブランドとして同社のオンラインストアを通じて世界中のエンドユーザーに販売されています。
Endor AG の多大な財務負担は、当初、ドイツの企業安定化および再編法 (StaRUG) に基づく手続きを通じて解決される予定でした。StaRUG 2021 で導入された手段により、企業は破産以外の方法で再編することが可能になります。Endor は、銀行債務を返済し、継続的な事業に資金を提供するための多額の資金源を同社に提供するために投資家を招き入れる計画を立てていました。
StaRUG計画が計画通りに実行できなかったため、同社は破産申請をせざるを得なくなりました。2024年7月31日、ランツフート地方裁判所は暫定破産管財を命じました。法律事務所Dr. Beck & Partnerの弁護士Dr. Hubert Ampferl氏が暫定破産管財人に任命されました。
破産手続きの目的は、会社を破産から投資家に売却することです。買収価格に加えて、買い手は特にライセンス料の支払いと今後のクリスマス事業の前払いに必要な資金を持っていなければなりません。事業、販売、配送、修理、保証は現在も変わらず継続しています。ただし、最高の収益は 11 月と 12 月まで期待できません。
暫定破産管財命令が下された直後から、国際投資家向け手続きが開始され、ランツフートでの事業運営、海外販売会社の株式、現在建設中の新管理棟が売りに出されている。
販売プロセスには、ミュンヘンを拠点とする国際的に活動するコンサルティング会社、goetzpartners Corporate Finance が関与しました。過去数日間に、投資家が Endor の事業に関する重要な文書にアクセスできる仮想データ ルームが開設されました。さらに、同社の可能性を示す事業計画も作成されました。
goetzpartners Corporate Finance のプロジェクト責任者である Jan-Hendrik Röver 氏は、プロセスの最初の数日後に非常に満足していました。「30 を超える国際投資家から当社のアプローチに対する素晴らしい反応がありました。すでに非常に有望な話し合いがいくつか行われています。これは、強力な Fanatec ブランドと優れた製品による Endor の世界的な評判を強調するものです。」
従業員、サプライヤー、顧客の利益のために、投資家が事業を迅速に引き継ぎ、円滑に継続できるような迅速な解決策を見つけることが目標です。
https://endor.ag/2024/08/16/goetzpartners-corporate-finance-launches-sales-process-for-endor-ag/?lang=en
FANATECユーザーとして望むこと
まずは会社が存続して、ファームウェアのアップデートや、日本国内での販売・修理サービスを継続して欲しいですね。
次に、さまざまなグレードの新製品が続々と出て、ハードウェアを必要になった時に入れ替えられるようにしておいて欲しい。
特に、FANATECのペダルについては、V3より上級のより繊細な制御ができる高級グレードのものが登場して欲しいと思います。だからと言って、30万円や40万円するアクティブペダルが必要なわけではなく、まずはHeusinkveldペダルのフィーリングに負けないような製品が欲しいですね。FANATECの一番高価なV3ペダルですが、何度か操作をしたことはありますが、V3ペダルはFANATECの中でバージョン3であるV3と書かれるぐらいまで熟成はされ、実車に近いペダルの配置や大きさ、フィーリングにはなりますが、Heusinkveldに比べるとフォーミュラーカーを運転する時等、繊細なペダル操作は難しいイメージがあります。
もうHeusinkveld使えばいいじゃん、という話になりますが、プレステやXBOXに対応させる場合は基本的にFANATEC純正ペダルを本体に付属ケーブルで直接接続する必要があるわけです。(コンバーターという技もあるようですが)なので、純正の、よりハイスペックなペダルがあれば、互換性が最強のハンコンシステムが組めるわけなので、それが待ち遠しいわけです。
ホイールベースは、ある程度のスペックに達していますし(Podium DD1/DD2は、そろそろバージョンアップした方が良さそうですが)、ステアリングは、FANATECであればUniversal HubやPodium Hubを使えば、社内外問わずさまざまな形のステアリングを使用できるので、とりあえずは大丈夫でしょう。
できれば純正のエクステンションがあればいいですね。Podium DD1/DD2のものについては社外品として誰かが非公式で発売しているようですが。(「podium dd1 extention」とかで検索すると海外サイトで出てきます)
ハンコンのブランドを維持、向上させていくということの難しさ
前述の、ユーザーが望むようなことを継続していくには、とにかくFANATECが存在し続けることが重要です。そして、すでに競合ひしめくハンコン業界において、皆に支持されるためには、今までリリースした製品に対して、絶えずファームウェアアップデートをし続け、供給・修理体制も維持する必要があります。
これらを維持するには、ユーザーを魅了し続けとにかく稼ぎ続けることが大切だと思います。
また、私含め、既存ユーザーたちはFANATECという、元々ある程度のリセールバリューのある製品を所有していました。その価値が維持されるか否かは、日本国内での販売・修理サービスがあることがの存続が鍵ですね。
FANATECのブラックフライーデーは開催されるのか?
今、FANATECは依然下記サイトで購入できるようになっていますが、彼らの組織を運営する資金が枯渇すれば、それすらも止まってしまうでしょう。
今行われている投資家との「話し合い」がうまくいき、買収により早く資金を確保し、製品の製作会社に商品代金を払い、商品を製作してもらい再出発できればいいのですが。
巨大資本から買収が、ブラックフライデーやクリスマス商戦に間に合えば、新製品の開発・発表も増え、再びブランドが復活するかもしれません。まずは8月〜9月に買収話が決まり、潤沢な資金を使用しての年末商戦に参入できるかどうか、ユーザーたちは見守っていく必要があると思います。
そうでなければ、現在の在庫のみを捌き切って、倉庫を空にするのみで終わってしまい、販売は終了してしまうかもしれません。
ちなみに2023年のブラックフライデーの内容は以下の通り。このときは、現金を得るためにかなり大々的なセールになったみたいです。(この時の価格設定や、数量設定のミスも負債を増やした原因のようですが)今回は、開催できるのか、開催できないのか、まだ全然わからない状態だと思います。
最後に
FANATEC(Endor AG)は現在すでに破産申請を行い、負債は小さなものとなり、身軽になるような気がします。
ここに新たな投資家が出現しさらに潤沢な資金が投入されれば、最近の勢いを増す新興勢力も恐れることになるかもしれません。CORSAIRが融資の際に何件かの特許を持っていったと言われているので、その辺がどうなるのか、というところでしょうか。
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