2025年6月13日、iRacingがアップデートされ、FanatecのFullForce対応になりました。なので、試してみた感想を書きたいと思います。動画バージョンも作りました。
僕がコロナ禍の頃に始めたiRacingですが、かれこれ5年以上継続しています。と言っても、最近は忙しくなったりで、レースに参戦すると周りの方に迷惑がかかるので、たまにプラクティスだとかテストで遊ぶだけになっていますが。
iRacingは、割引がない時に月単位で更新すると月々13ドルと、2000円のサブスクのレースSIMソフトです。初回&年単位等で契約したら割安にはなり、2年とかだと月換算700円程度にはなりますね。
以下のようなページから僕のリンクで登録してくださる方がたまにいらっしゃるおかげで、どうにかiRacingを続けることができ、ありがたいと思っています。(1回登録してもらえると10ドル分のクーポンがゲットでき、サブスクと新車・コース購入の足しにさせていただいています。)

FanatecのFulForceとは何か?
特定のホイールベース(Clubsport DD+/Clubsport DD)に実装されている機能です。Fanatecでは以下のような写真と共にFullForceの説明がなされていますが、必要なのは対応するホイールベースだけであって、ステアリングは何でも構いません。将来的にはGT7やACEvoでも実装される予定とのこと。


↑写真上のこの超高級ステアリングはFullForce仕様に必須ではありません。どのステアリングを選んでもホイールベースが対応していたらFullForceは使用可。
以下のようなFanatec Control Panel(白いアイコンのソフト)のFFBテストを触ったことがある人は分かると思いますが、ステアリングが振動します。いや、ハンコンって、FFBで振動してるよねという話なんですが、またFFBとは別の信号から生成された振幅が小さめな周波数の振動が発生します。

2025年6月の時点では発売されている、特定のホイールベース(Clubsport DD+/Clubsport DD)でのみ使用可能で、以下のリンク先のような製品でのみ使用可能です。
※CSLDDやGTDDPRO、Podium DD1/DD2、CSL Eliteホイールベースにはその機能が実装されていません。(機械的な違いだと思うので、アップデートで実装されることはないと思ってください)




Fanatecによると、実車でハンドルを握る際に感じる以下のような情報を、iRacing内の物理エンジンやオーディオソースから生成された情報をFFBの信号に組み込む(要約)とのこと。
・エンジンの振動
・異なる路面からのテクスチャードなフィードバック
・トラクションの喪失を知らせる突然の振動など
全てのFullForceを強めすぎるのは禁物で、エンジンとロードテクスチャについては、その振動が他のFullForceの項目の効果を遮ってしまう可能性があるので、ほどほどに。

上の、写真で使用されているコクピットについてまとめたページ
まずFANATEC側のファームウェアのアップデート
Fanatecからは6月10日ごろからでしょうか?ドライバ468が以下の公式ページで正式公開されています。

ドライバをダウンロード、インストールし、Fanatecコントロールパネルを開き、ホイールベースのアップデートを行います。

アップデート内容の一部として、FullForceの質の向上と、iRacing 2025 Season 3用に、Clubsport DDおよびClubsport DD+のFullForce機能を実装している旨が書かれています↓

iRacingは2025年6月14日に大型アップデート。
iRacingを起動する際に、画面に従い、最新の状態にしましょう。iRacingは、起動時に絶対最新のバージョンへのアップデートが必要となるので、いつも通りアップデートすればOKです。
iRacing側の設定がほんの少し大変かも。
Fanatecによると、現状FullForceを設定するには、iRacingのソフトウェア上ではなくiniファイルの中身を変更しなければいけません。以下のiRacingのフォルダ内の「app.ini」ファイルを開き、とりあえず以下のFanatec推奨値(黄色い値)を設定し、保存しました。
iRacing自宅でやってるって、日本国民の中からすると結構なPCオタクに分類されると思うのでw、これぐらい大丈夫かと思いますが。
C:\Users\*UserName*\Documents\iRacing

iniファイルの書き換えについては、Fanatec ForumのFanatecの中の人の投稿ををもとに記載しています。
原文を確認したい方はこちら↓(下の方に個人の方がiRacingの画面上ではLFEが5dBより上げられない!と書いていますが惑わされないでください。LFEはFullForceとは関係なく、このapp.iniでの設定が必要です。iRacingの設定のWHEEL LFEは関係あります:次の項目参照。)
FanatecのFullForceを感じるために走ってみた
まずFanatec側でFullForceを100にするのを忘れない
まず、忘れてはならないのが、FanatecのFFBのセッティングでFullForceがONになっているか、です。Fanalabや、ステアリングの画面で「FUL」をとりあえず100に設定しましょう。(お好みで下げてもいいと思いますが、とりあえず100にしておいたらいいでしょう)少し昔の推奨設定とかだと、FullForce対応ソフトがなかったからか、0になっており、これだと全くFullForceを感じ取れません。まずBefore・Afterを確認するために0で走ってから100にしてみてもいいとは思いますが。
iRacingのOPTIONのMISC画面も変更が必要!
WHEEL LFEの値が、通常0dBとなっているので、5dBに上げておいた方が効果を感じることができると思います。(6/15追記)

Fanatec FullForce機能を使ってみた感想
感想としては、現時点では、めちゃくちゃ感動!!という程のものではありませんでしたが、(6/15削除)
と書いていましたが、その後iRacingのWHEEL LFEを0dBから5dBに設定をするとよりFullForceをはっきりと感じられるようになりました。タイヤと路面のグリップ限界ぎりぎりの部分でタイヤがズレつつカーブを曲がっていく際のザラザラとした感じがわかりやすいのはいいですね。レブった時に感じる感触、シフトチェンジ時のショック無いよりはあった方が情報が増えた。という感じ。(6/15追記)
振動させるという点だけを考えると、以下のような振動スピーカーを導入した方が、強力です。(設置や配線のことを考えたりする必要がありますが)ただし、振動スピーカーについては、毎回アンプの電源をON&OFFするのが手間に感じ、引越しの際に外してから使ってなかったりしますw
Clubsport DD+/DDを持っていれば、お手軽にFullForceで振動を追加できるので、CSDD+/CSDDユーザーの方は設定して損はないと思います。(6/15追記)
FanatecはFullForceの説明において、「コクピットにも振動が伝わってくる」ようなニュアンスの説明をしています。今回は確かに手のひらに路面からの高周波の振動等(種類によっては周波数低いかもしれないけど)が伝わってくるんですが、コクピット全体を包み込むような感じではないのでは?と思います。(6/15追記)一方FullForceを強くしすぎても、前述のように本来のFFBの効果を感じ取りにくくなるので、ちょうどいい塩梅は必要なわけですが。
FullForceをONにしてからの変化としては、ストレートを走っている際は本当に小さな振動(顔用の美容器具が出してそうなレベルの振動)が常に伝わってくるようになりましたし、ギアのシフト時も、FullForce無しの時には無かった感触が少し伝わって来ます。
ブレーキロックをした時にどうかというと、あまりFullForce前後で劇的に情報が違うかと言われたらよくわからないですね。(6/15削除)ゴリゴリと振動している感じがします。(6/15追記)
前述のForumでの投稿で、Fanatec曰く、
「FullForce の効果が初期のデモよりも弱く感じられることに気付くかもしれません。私たちはすでに次のアップデートに向けて修正に取り組んでいます。」
とのこと。正しく評価を下すのはアップデート後にはなると思いますが、とりあえず現状でもFullForceを100にして遊んでおいた方が、無いよりは情報量が増えほんの少しですが臨場感は増すかと思います。

と、まぁそんな程度の感想を抱いていたのですが、もう少しどうにかならないのかなと、app.iniファイルの数値を変えながら模索していました。1時間程度いじった結果ではありますが、こんな感じに設定してみました。

Gear Change、RevLimit、Wheel SlipをMaxにしています。これで、ドライバーが認識している情報が振動として手に伝わりやすいかと思います。ギアシフトは自分で操作した結果ですし、レブリミットもわかりやすいかと。
その他も0dBとしていますが、0dBというのは、信号が全く出ないというわけでありませんので、いろんな振動が手に伝わって来ます。
以上の設定は、iRacing側のWHEEL LFEの存在に気付かず、WHEEL LFEを0dBと設定していた時のに書いたものです。WHEEL LFE設定を5dBとした場合、以下のFanatec推奨の設定の方が、各要素のメリハリが効いていて、効果的にFullForceを感じられるような気がしました。(6/15追記)

設定のためのdB(デシベル)のお話
iRacingとかのマニアックなレースSIMに手を出すとうな人の中にはdBについて、どういう値か?というのが分かっている方もいると思います。頭の整理のためにここに書いてみました。
0dBというのが、人間がギリギリ聞こえる音。
20dBというのが、0dBで聞こえる音の10倍の音圧。
一方、-20dBは0dBで聞こえる音の1/10倍の音圧。
さあらに-40dBは0dBの1/100倍の音圧。
知らんけど。
ってな感じで、20dBごとに音圧が10倍されるわけですね。
だから、-40dBというのが限りなく無音(無出力)。0dBでも、なんか感じることができる感じ。20dBだと、まぁまぁ感じられるようになる(小さな寝息の音と表現しているサイトも)というイメージです。
Fanatec FullForceとiRacingまとめ
今のところ、無いよりあった方が情報は増え楽しめると思います。app.iniの数値を変えるぐらいでそこまで難しくも無いですし、以下のようなハンコンをiRacingで使っている人は、設定して使ってみたら良いかなと思います!




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