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MOZA Racing mBooster Active Pedalレビュー

MOZA mBooster Active Pedalですが、MOZA Racingより無償提供を受けてレビューをしています。自分では、手を伸ばさなさそうな高価なペダルを提供していただけるのはとても嬉しいことで、次回も何か面白いものを提供してもらえたらいいなwという下心を抑えつつ、忖度しすぎないようにレビューしたいと思います。※ブログ中にMOZA公式の製品へのリンクがあり、そこから購入していただけると数%私に収益が入るようになっています。

MOZA mBooster Active Pedal - MOZA Racing | Global
Experience next-level sim racing with MOZA mBooster Active Pedals. Featuring advanced force feedback, dual 200KG load ce...

毎回だいたい同じ流れなんですが、「この商品のレビューは興味ありますか?(要約)」と言われ、「はい!前回と同じ住所で大丈夫です(要約)」と言って無償で送ってもらっただけで、特にどれだけレビューをしろとは言われていません。ただ、僕も人間ですので、製品の価値に対して、僕を選んでくれた担当さんが怒られない程度の量だったり、理不尽では無いレビューはしないといけないなとは思っています。一方忖度しすぎると、読者の方に迷惑がかかるので、そこはできる限り率直な意見を書いていくようにしています。

今回は、mBooster Active Pedalと、延長用プレート(後で説明します)を送ってもらいました。

以前提供してもらったCRP2ペダルをベースとして、今回のアクティブペダルを組みつけるとアクセル、アクティブブレーキペダル、クラッチの3ペダルができあがるわけです。

ちなみに、アクティブ部をアクセルにすることも、クラッチにすることもできますし、3ペダルともアクティブペダルにすることも可能です。

これまでロードセル式や油圧式が主流だったブレーキペダルに対し、SimucubeがActive Pedalを発売。1個40万円程度で発売されていましたが、今回MOZA Racingは、ペダル1個799ドル≒11.5万円(142円/ドル)で発売しています。

ブレーキ1本買うのに、12万円も出すなんて狂ってる!と思う人もいるでしょうが、このアクティブペダルはSimucubeが2024年に製品化したのと同じような概念の商品で、現状このようなペダルの重さが中のモーターによって作り出されるような商品は2社からしか出ていません。(僕が知っている中では)世の中には、「(Simucubeだと一つ40万円だったものが)MOZAなら12万円で、こんな機能が手に入るのか。(3ペダル全部アクティブにしても40万円いかないのか!)」と検討対象に入ってしまう頭のおかしな方や、レースSIM以外にお金を使うことのないマニアックな人もいるわけで、僕がSNSに手に入れたこと(自腹ではなく提供品ですが)をアップしたら、いいねや質問等、結構いただきました。

以下のポストに何件か質問が寄せられていますが、この記事である程度はお答えできているのではないのかなと思います。

こちらはレビュー動画です。この記事を作る前に作成しました。記事では、整理した状態で言語化しています。一方動画では、スケール感だとか動きを確認できるかと思います。


結局どう組み合わせばいいのかだけ先に伝えときます。

クラッチが不要な人なら、これを一つ買っておいたら、下の写真のようなものが送られて来るので、遊べるでしょう。
mBooster Pedal Set (with CRP2 Throttle)

※同じURLに2つの商品が掲載されており、どちらからか選ぶ方式になっているのでご注意を。

3ペダルにしたい方は、先ほどの2ペダルに、以下のクラッチペダルを足してください。
CRP2 Clutch Pedal(クラッチペダル)

ちなみにすでにCRP2ペダル(3ペダルにしている人)を持っている人は、以下の単品と延長プレートを選ぶと良いでしょう。(私の提供品と同じ構成)
mBooster Active Pedal
延長用プレート

気になる機能

MOZAのActive Pedalには、7つの機能があります。

個人的に勝手に分けてしまいますが、大きく3つのグループに分かれると思います。

①ペダルの重さやストロークの設定

まず一つのメインの機能ですが、ペダルの重さやストロークを設定できる機能。
これは、ストローク、ダンピング、摩擦等設定することができ、今までスプリングやエラストマー(樹脂)をちまちまとペダルを分解しながら交換していた作業を、画面上のクリックで一気に変えてしまえる便利機能です。

②SIMソフトから入力される信号を振動で伝える機能

もう一つのくくりが、SIMソフトから得られる以下の信号を受けて、ペダルを振動させる機能です。

ブレーキ:エンジン振動、ABS、ホイールロック

アクセル:RPM、TC(トラクションコントロール)

これは、SIMソフトによって対応しているかどうか異なりますので、以下のMOZAの公式の対応表をご覧ください。例えば、2025年6月頭の時点で、アセットコルサとアセットコルサコンペティティオーネだと上記の機能の全て対応していますが、アセットコルサEvoだと、ABSとTCが対応していなかったりします。

mBooster telemetry force feedback support list
Game Rpm ABS TC Wheel Lock Brake threshold vibration Clutch Bite Point EA WRC ✅ ✅ ✅ ✅ ✅ WRC 8 ✅ ✅ ✅ WRC 9 ✅ ✅ ✅ WRC 10 ✅...

③ペダルが指定の出力になったら振動する機能

以下の2つはSIMからの信号に左右されず、MOZAのPit House上で設定したペダルの出力値に来たら、ペダルが振動する機能です。

Brake threshold vibration
ブレーキとして使用した時に、スレショルド(閾値)を設定してそこで振動させる機能、

Clutch Bite Point
クラッチとして使用した時に、規定の角度付近のみで振動させるようにする機能があります。

あとまだよくわからない機能w

Vehicle body vibration (HI)、Gear shift impact、G-forceという機能もあるようですが、まだよくわかっていません。ボディーの振動がペダルから伝わるとか、シフトチェンジの際に衝撃が伝わるとかあるようですが、設定上では見つけられませんでした。まだ実装されず将来アップデートで実装される機能なのかどうなのかもしれません。もしかしたらもともと備わっている機能なのかもしれません。今後解明していきたいと思います。

MOZA mBooster Active Pedalの開封

今回、2つの商品を送ってもらっています。mBooster Active Pedalと、延長用プレートです。

ペダル1本なのに重くてでかい、というのがこの箱がが届いた時の感想です。

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ペダルと言っても、その中にモータもあるし、巨大な240W用の電源アダプタも同封されているわけです。取説とステッカー、本体、アダプター、箱。

左下の箱の中身はこちら。ケーブルについては、左からUSBケーブルと、RJケーブルと、LANケーブルですね。LANケーブルはおそらくホイールベースと繋ぐものだと思います。RJケーブルはクラッチやアクセルと繋ぐものでしょうか。僕の場合はCRP2ペダルのアクセルとクラッチで使用していたケーブルを繋いだので、ケーブルは一番左のUSBケーブルのみしか使っていません。6本ボルトがありますが、MOZA純正ベースプレートには6本全てを使用して取り付けます。そのうち6角ボルトが2本あり、それをスパナで締め付けます。

電源アダプタはR16のものと同じぐらい大きさでした。(左からActive Pedal、R16、R21のアダプタ)

ただし、Active Pedalは240W、R16は360W、R21は480Wの容量のようです。ケーブルは、いつもの3つピンがあるコネクタです。アース端子が必要なタイプです。

アクティブペダルを取り出すとこんな感じ。

また、延長用のペダルプレートの同封物はこちらです。ボルト類、レンチと2つの連結用のプレートです。

MOZA mBooster Active Pedalの取り付け

左のものが、CRP2ペダルで、アクセル、ブレーキ、クラッチ全て取り付けられており、それを、「CRP2 Full Length Throttle Replacement Plate」をブレーキに取り付けています。本来ならアクセル用なんですがw。CRP2のどのペダルにも取り付けられます。ただし、今のところやってみた感じ今回のActive Pedalには取り付けられなさそうです。アクティブペダルのペダル付近には2つの200kgのロードセルペダルが設置されているので、ペダルを交換するわけにはいかないのかもしれません。ついでに言っておくと、ペダルの支点部分には15bitの街道度がある角度センサーが取り付けられ、計3つのセンサーで踏力とペダルの角度を感知し、内臓のエンコーダーで処理し、信号をPCへと出力しています。

このCRP2のブレーキの部分を右のアクティブペダルに交換するというわけです。

その前に、CRP2ユーザーの方はベースプレートを延長しなければなりません。提供品の
mBooster Base Extension Plateを以下のようにCRP2の後ろに繋げ、連結用プレートをあてがい、ボルトを閉めていきます。

そして、アクティブペダルを6箇所ボルト締めして、こんな感じに。

サイズが気になる方へ。アクティブペダル単体の長さは382.5mmあるそうです。

配線については、CRP2ペダルのアクセル、クラッチからきている配線を流用します。写真のようにプレート裏のボックスに繋がっているものを取り外し、アクティブペダル本体に繋ぎ直します。以下の写真のケーブル用のボックスは使用しなくなります。

3台並べて使用も可能

取説や、以下のFAQに取り付けのバリエーションが載っています。

MOZA mBooster Active Pedal FAQ
Q: Should the mBooster Active Pedal be connected to the base or PC? Does it require external power? A: Yes, it requires ...

その中で3台、アクセル、ブレーキ、クラッチとしての使用もできるようになっています。アダプターは3つ必要ですね。(よくよく見ると、ペダルどうしを接続する際RJケーブルの差し込むべき位置が異なるような気がしますが、とりあえず、3台繋げることができます)

今回の私の繋げ方はこんな感じです。

各ペダルの大きさ比較

何かの参考にしてみてください。左からHeusinkveldのSim Pedals Sprint、真ん中が今回のMOZAのmBooster Active Pedal + CRP2、右がFanatecのCSL Elite Pedals V2。MOZAのペダルがアクティブペダル導入に伴い奥行きが長くなっていることがわかると思います。

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コクピットに取り付ける前に、ちょっと分解しています。23:07から分解して構造を軽く解説しています。

取り付けました。これは上から撮影した画像ですが、ベースプレートには大きな穴が6つ空いておいることから、理想は6点でボルトで留めたら良いかと思います。僕はコクピットのフレームをあまり動かしたくないので、一番手前の2箇所、そして、余った部材を延長して1箇所の計3箇所しかとめていません。これで暴れたり剛性に問題は感じないのでとりあえずこれで許してください。

手前から見るとこんな感じで、手前の4040部材にボルト留め。奥の4040の部材には載せただけです。余った4080部材を奥の4040部材に連結させ、その4080部材にボルト締しています。

MOZA mBooster Active Pedalに電源を投入すると

今回のアクティブペダルをPCにUSBで接続しています。また電源プラグを差し込むと、アクティブペダルからかすかな音が聞こえるわけです。マンションで隣の部屋が水道を使っていて、水が流れている程度(壁の薄さによるか)の音が聞こえます。アクティブペダルを購入しようとしているお金持ちの方の家ではそんな音聞こえないかもしれせんがw この音源がなぜ発生しているのかは分かりません。モーターがアイドリングしているのか、冷却ファンみたいなものがなかにあるのか?そこまでは解明できていないのですが、電源プラグ差しっぱなしにしておくのはよくなさそうな気がします。

MOZA mBooster Active PedalのPCへの接続とソフトウェア

アクティブペダルを活用するにはMOZAのPit Houseと呼ばれるMOZA製品の管理ソフトの導入が必須となります。

アクティブペダルの電源を入れ、MOZAのPit Houseを起動すると、以下のような画面が出てきますので、ファームウェアのアップグレードが必要となるでしょう。(オレンジ色の注意事項にも書いてある通り、アップグレードによってトラブルが出る可能性があるので、現状のセットに不満がないならアップグレードしないことをお勧めすると書いていますw MOZAさん、自信を持ってアップグレードをリリースしてくださいw アップグレードして不具合が出た場合は、元に戻す方法もあります。)

ブレーキペダル用の画面

いろいろアップデートし、Pit House画面の左のペダルの形をしたボタンをクリックすると次の項目のような画面が出てきます。

動画を見ていただいた方が感覚的にわかりやすいかもしれませんが、以降簡単に説明していきます。

細かいことを淡々と説明する前にまず、ブレーキとしての感触はイイものだと思う、ということはお伝えしておきます、また振動機能について、FFBとは別に足からも情報が来るのは楽しいです。(振動機能についてはこの後本当にそれいるのか?リアルなの?という視点でも書いています)

まず、右のグラフですが、拡大すると以下の通り。

横軸がペダルの位置、縦軸はペダルの重さを示しています。これだと、横軸で右側に行くとペダルが奥に踏み込まれるわけですが、縦軸の重さが重くなっていくようなカーブになります。

左の0-40kgのバーで、ペダルに力をかけた時にペダルが動き始める重さを設定します。今回は5kgの力で踏み込めば、ペダルが奥に倒れ始めます。倒れれば倒れるほど、反発力が強くなっていきます。その反発力については右のバーとカーブで設定するわけで、ブレーキであればバーの方で最大200kgの重さまで設定できるわけです。今回は右上に記載してある通り、80kgなので、80kgまで踏み込むとPCには100%ペダルが踏まれたと出力されるわけです。

グラフを下にスクロールしていくと以下のようなバーが現れます。一番上がペダルトラベル。ペダルの可動範囲ですね。これをいじることで、ペダルの初期角度も調節することもできます。

その下は、踏み込んだ時のダンピング、戻る時のダンピング。そして、フリクションです。これらを強めていくと、油圧式のペダルを踏んで粘度が高いブレーキオイルが動いている実車のペダルの感覚に似せることができます。これについては、エラストマーとバネだけのペダルと比べると、誰でも違いを感じ取れるかと思います。

End stop feelingはペダルの初めの位置と終わりの位置での動きの調整ですね。0と10で劇的に動きが変わることはないのですが、強くするとペダル終端がきっちり止まる感じにはなります。

また以下の2つ目のタブも、グラフが出てきました。これは、ペダルの位置に対してシミュレーターにどのような出力信号を発信するか調整することができます。1つ目のグラフは、ペダルの重さを調整するためのグラフに対して、こちらは、PCへの出力のグラフで、別のものになります。

3つ目のEffectのタブで、振動機能を調整します。周波数や強度、振動の味付けなんかを調整することができますね。ブレーキについてはエンジン振動、ABS、ブレーキスレショルド(閾値)での振動、ホイールロックアップを調整することができます。

個人的な意見ではありますが、エンジン振動については、ブレーキを踏んだ時だけしかEngine Vibrationを感じられないわけで、これは実車での感覚とかけ離れているように感じます。

ABSについては、必要とする方もいるかもしれません。ただし、その後のホイールロックアップでホイールがロックした際にも振動を設定できるようになっているので、競合するような気もします。なので、路面の状況を感じ取るとしたらホイールロックアップのみにしておいたりした方がいいのかな?なんて思ったり。いや、ABSだけにしておく方が、ブレーキからのフィードバックとしてはりあるなのかも。もしかしたら、ABSのFrequency(周波数)と、ホイールロックアップのFrequencyや強さを異なるものにしていたら、SIMからの音や視覚、ステアリングからのFFBからも相まって見分けがつくかもしれません。と、いろいろと自分の中でもまだ答えは出ていませんが、そういう情報を足の裏に与えられるようになっています。

ブレーキスレショルド振動は、ブレーキを元々設定した位置(上の画像では85%としている)あたりで振動するというもの。実車には無い単なる便利なブレーキのお知らせ機能で、実車感を求める人には不要な機能なのではと思います。

このようにいろいろとSIMからの情報(ABSやホイールロックアップ等)でペダルを振動させることも、あらかじめ設定していたペダルの位置で振動させたりすることもできるような製品です。この機能については、Active Pedalを購入しなくても、振動ユニットなんかを取り付けるとある程度は補完できるものだとは思います。

クラッチとして使うと2025年6月時点では良い感触ではなかった

上記ではブレーキについての感想を述べていますが、こちらからはクラッチです。

物理的にはブレーキの位置にアクティブペダルを取り付けているわけですが、PCの画面上でアクティブペダルをクラッチモードにして、試しにクラッチだと思って踏んでみようと思います。

今回、あらかじめMOZAが用意しているプリセットを使用しています。まず、アクティブペダルの設定をクラッチとし、プリセット(GT-Clutch-Official)を選択すると以下のようになりました。

この状態で踏みましたが、踏み心地として、シャリシャリと粒感や引っかかり感を感じ、あまり良い感触ではありません。

また、クラッチが軽いです。CRP2純正のクラッチも軽いですが、このアクティブペダルのクラッチよりはスムーズに動きます。僕が所有しているちょっとハイパワー目なターボ車の重めのクラッチより軽いです。そのため、少なくとも自分の愛車と同じぐらいの重さにしてみようと、クラッチの重さを上げようとしても、クラッチについては右上の通り、20kgの重さが最大になるわけです。これについては要改善です。これがクラッチ用途でのアクティブペダルの機械的な限界なのか、単にファームウェアのアップデートで将来的に治るのかどうなのかはわかりません。ブレーキで200kgまで耐えられるので、ファームウェアアップデートで直す余地があるように感じますが、さぁどうなのでしょう。

個人的な感想ですが、現状ではクラッチとしての使用をお勧めできるものではありません。(MOZAにはこの感想を伝え、もしアップデートされ、クラッチが万人が納得するような出来になれば、この文書を変更しようと思います。)

以上の通り、ダンパーやフリクション等があり、一番強くしたりといろいろ試してはみましたが、良い感触にはなりませんでした。

これも同様、PCへの出力信号を調整できるグラフがあります。

切れていますが、一番上がエンジン振動です。TC、クラッチバイトポイントと続きます。

クラッチバイトポイントについては、SIMから信号が出力されて、クラッチの感覚が変わるわけではないことにご注意ください。以下のように、50%あたりで振動するというように設定しているので、50%まで踏み込むとその辺りでペダルが振動するという単純な機構です。

公式HPによると、Gear Shift impactという機能があるので、もしかしたら、シフト時に何か感じ取れるようなものがあるかもしれませんが、そこは現状未検証。

アクセルペダルとしも2025年6月時点では良い感触ではなかった

クラッチと同じく、アクセルについても粒感やひっかかりを感じます。クラッチと同じく、その重さの最大値は20kgであり、もう少し重くすることでアクセルのコントロールを繊細にしたい方もいるかと思います。20kgにしても、がっつりスプリングが入っているHeusinkveldのSPSなんかと比べると軽いですね。

今回のプリセットはGT-Throttle-Officialを選択しています。

以下のダンパー、フリクション、エンドストップについてはブレーキ、クラッチと同様です。

PCへの出力カーブも調整できます。

アクセルについては、エンジン振動、TCの振動を感じることができます。

すでに述べた通り、アクセルとして使用すると感触が良くないので、これもお勧めできるものではありません。クラッチと同様ファームウェアでどこまで改善できるか様子見が必要かと思います。

設定については、27:28頃からです。


走ってみた感想

Assetto Corsa Evo

初めにAssetto Corsa Evoでポルシェ992GT3Cupカーで走ってみました。なぜかというと、MOZAがソフトウェア(Pit House)上でAssetto Corsa Evoでポルシェ992GT3Cupカー用のプリセットを用意していたからです。他にiRacingのマクラーレンの何かとかはありましたが、合計この2台か3台です。

すでに設定画面で踏み込んで、大体の感触は知っているのですが、走りながらステアリングのFFBを感じつつ、ペダルの油圧を感じさせる重さを感じながらペダルが奥にヌメっと移動する感触もあり、面白いです。

今回のプリセットは、エンジン振動、スレショルド振動、ロックアップ振動が設定されています。一応ABSもONにはなっていますが、ABSモード以外の振動はOFFにして走っても何も振動しませんでした。やはり、MOZAの対応表通り、現状ACEvoからはABS信号は来ていないようです。

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各EffectをONーOFFしながら走ってわかったことは、このプリセットはエンジン振動、スレショルド振動でペダルが主に振動し、臨場感があるように感じさせようとしているのだなと思いました。

エンジン振動を設定すると、ブレーキを踏み込むと設定した強度の振動がペダルに伝わるような設定になっています。エンジンの回転数の大きさというよりは踏み込む深さに対して振動が強くなっていくようです。

また、スレショルド振動では、85%以上踏み込むと、強めの振動が足に伝わるように設定されています。(この85%をPit House上で変更することも可能)最後にタイヤがロックするとロックアップの振動機能により強めにペダルが震えます。(スキッド音が鳴る程度の多少タイヤが動いている時は、ロックアップ振動は発生しません。本当にロックした時にしか振動しません。

実車でペダルが震える要素を突き詰めると、ABSの時以外は震えないような気はしますが、SIMレーサーはタイムのことを考えたら、ABSを切っている方も多いかと思います。

なので雰囲気をそれっぽくするために、ロックアップを設定するようになる方が多いのでは無いかと思います。ブレーキがロックした時にペダル振動することで、路面とタイヤの状態を察知できるセンサーが一つ増やすことができる程度に思っておいたら良いかと思います。

ちょっと率直なことを言うと、全ての振動を切ると、ペダルは単なる硬くてむにゅっとした感触のある単なる油圧っぽいペダルでした。(いや、それでイイんだけど)そこに各振動要素を足していくことで最新のペダルを使っている気分になります。

ということは、現在のペダルの硬さや設定を気に入っており、逐一SIMソフトごとにブレーキの硬さを変更する必要を感じないのであれば、後付けの振動ユニットをペダルにDIY取り付けするだけでもよかったりするのでは?なんて…庶民の僕は思ったりもしますw

またエンジン振動のみを感じたいのであれば、ペダルに取り付けるのではなく、私が以前試用していた振動スピーカーでコクピットごと揺らす方がリアル寄りなのでは?なんて思ったり。私の場合、臨場感が上がり楽しいと感じましたが、電源ONOFFとかコードを綺麗にしたりするのが大変だったので一度お引越しの時に取り外したのち今は棚の中に眠ってますw。

とか言いつつもアクティブペダルのように、ペダルにその機能が内蔵されていれば、コード類が少なくて済みます。ただし、現状、ペダルをある程度踏まないと振動しないようです。

とまぁ、振動一つ一つを注意深く因数分解?して確認していくと、油圧っぽいうにゅ〜っとした感触が再現されたペダルに対して単純なアルゴリズムで振動が組み合わされているように思えなくもないのですが、走ることに集中すると、目から入ってくる車が高速で走っている中ブレーキを踏んで、それが足にフィードバックされてくきて、臨場感が生まれてくるわけです。

Assetto Corsa

Assetto Corsa(アセコル)は、ABS、TCも含め、すべてのSIMからの出力に対応しています。

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そのため、アセコルEvoでは確認できないABS作動時のペダルの振動を確認してみました。ニュルをFerrari488GT3で3周ぐらい走りながら、強めにブレーキを踏んでみたりました。画面上でABSマークがついた時に確かにペダルが振動します。僕の感覚ではABSについてはON-OFFの感覚でした。ABSが作動すれば元々設定していた周波数・強度でペダルがそのまま振動する。そんな感じの機能に感じました。あればより実車に近づけられる機能です。これは振動ユニットでも同じようなことができることはお伝えしておきます。

モーターの先に不均衡なオモリがついいて、モーターが回転する時に振動するようなタイプの振動ユニットだと、モーターの回転数が上がるまでは振動が弱いので、それに比べたら力強い振動を発生させることもできるでしょう。振動スピーカーのようなものだと、即応性があったりすると思います。

iRacingのF4でも使用しましたが、その感想はまた後日。

長く走ってもモーターは熱くならなさそう

耐久性のことが一つ気になっていました。MOZAではありませんが、あるベルトドライブのハンコンなんかは、熱ダレするような機種もあり、皆冷却に苦心しているSNSでの投稿をたまにみてたりしました。

今回のアクティブペダルに付属のモーターはどうなんだろうか?と気になっていましたが、温度についてはあまり気にしなくても良さそうな気がしました。

というのも、ニュルをFerrari488GT3で3周ぐらい走りました。30分程度でしょうか。その後、モーターを触っても全く熱くなく、アルミが自分の手の平から熱を奪っていきます。ということは、僕の掌の温度である35度以下ということ。おそらく室温と同程度の20度ぐらいなのではないでしょうか。

ハンコンは、常にFFBを発生させているので腕力に対して常にフィードバックを返す必要がありますが、ペダルはブレーキするときだけ頑張ればいいので、あまりモーターの温度が上がることはないのでしょう。フレーム部分にアルミが多用され、モーターからの熱の発散や放熱も余裕がありそうな気はします。

いまいち、どういう時にモーターが回っているのか、通電中の音はなんなのか(モーターは常にアイドリング状態で、なんか音が鳴っているのか)わからないので、おいおい解明しておこうと思います。

動画の中で、分解して内部構造を動かしているシーンがあります。もしよければご覧ください。

とりあえず、熱ダレについては気にしなくてもいいのかもしれません。


MOZA mBooster Active Pedalの良いと感じた点、気になった点

良いと感じた点

  • いろいろなタイプの車に乗る場合、非アクティブペダルだと大変なペダルのフィーリングの調整を、画面上でMOZAのソフトであるPit Houseを用いて、比較的簡単にできるのは大きなメリットだと思う。ブレーキペダルについてはこの調整機能には満足している。
  • 僕はレーサーやメーカー開発者では無い一般のただの車好きレベルの人間だけど、ブレーキの油圧感を感じ取ることができ、実車感がし、特に違和感を感じていない。
  • Simucubeのと比べると導入コストが低い(Simucubeとの技術的・性能的な違いを比較はしていないが)
  • DIYは必要になると思うが、ブレーキ単体のみMOZA、アクセルとクラッチは他社という使用方法も可能。
  • 普通に走る分には熱的な問題は全く感じられなかった。(レースSIM用としてではなく、常に100〜200kgを継続的にかけ続けるトレーニングマシンみたいな使い方をしていたらどうかはわかりませんw)
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気になった点

・ペダルの価格は1つアクティブ+2ペダル&土台付きで1098ドル=16万円弱+送料。僕もSIMに対する金銭感覚が狂ってこれが安いか高いかよくわからなくなってきたがw、レースゲームのペダルとして考えたら高価。シミュレーターの高機能なペダルといて考えると高くはない価格と言えます。ただし、非アクティブペダルのアクセルとクラッチの質感はCRP2ペダル(8万円ぐらいのペダル)のアクセルとクラッチのレベル感です。CRP2のレビューをした当時も、アクティブペダルと併用した今回も、硬めのスプリングを入れてもクラッチについては「軽いな」という印象があり、以前のレビューにもそう書いていました。

ということで、高級志向の方にはCRP2+アクティブペダルだと少しアクセルとクラッチが気になるかもしれません。

クラッチとして使用した時の問題点
現状、クラッチの最大踏力はどんなに調整しても20kg以上設定できなくなっています。ちょっと昔前のクラッチ重めのターボ車の実車なんかより軽いです。CRP2の軽いと感じたクラッチよりもほんのわずかに重い程度。せっかく200kgまでのブレーキ踏力を受け止める懐の大きさがあるのだから、もう少し重く設定できるようにアップデートできないものなのかと思うわけです。

アクセル(スロットル)として使用した時の問題点
現状、こちらも同じく最大踏力が20kgしかありません。CRP2の純正よりは少し弾力を感じますが、Heusinkveldに比べると軽いと感じます。やはりせっかくのアクティブペダルなのでもう少し重く設定できるようにしてユーザー側に調整しろを与えてもよいのではないかと思います。

振動機能がもう少し表現豊かになればより良いかも
Wheel LockupやABS等の振動機能は確かに体への入力を豊かにしてくれますが、振動のON-OFF感があり、SIMソフトからのオンオフの信号をそのまま、振動のON-OFFとして出力しているように感じています。欲を言えば、振動が発生する中でもその強弱が状況に応じて表現できないものなのか?と思ったりもします。これはSIMソフト側からどのような信号が出るかに依存するし、ブレーキペダルに振動を強く入れると、踏力が振られるわけで、ブレーキからPCへの出力が微細に変化するかもしれません。なので、極端なことはできないんだろうなと思ったり。

本体が大きく設置に頭を悩ませるかもしれません。アダプタも大きいです。しかし、隠せばいいし、気軽にペダルの重さを調整できるというメリットが大きいので、気にならなくなるかもしれません。

大きく無い足の靴下レーサーは、(レーシング)シューズの導入が必要だと思います。ペダルの位置が比較的高い位置にあるので、足が小さいままだと力を伝えづらいかもしれません。購入後届いて触ってみて、問題があれば靴を履いてみてください。多分、気にならなくなります。それでも問題があれば、カカト部分に何か置物をすれば解決するとは思います。


結論:MOZA mBooster Active Pedalは買いなのか?

アクティブペダルというのは、僕にとって初めての製品です。今の所、耐久性や、耐久レース等で使用した時にコンスタントに、ある一定の踏力に対し同じアウトプットが出せるのか?というところまでは検証できていません。(もう少し遊んで結論を出したいです)

まだこのペダルの本物の実力は解明しきれていない状態ではありますが、
個人的な意見を書かせてもらうと、

F1やGT、ラリーなどいろいろな車種で遊ぶことがあり、それぞれの世界観を楽しむためにブレーキの強さを毎回その実車に近いものにしてみたい。

という方にとっては、選択肢の一つに入れて良いかと思います。

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ペダル1つ単品だと11.5万円+送料です。

もし、ブレーキをアクティブペダル、その他をCRP2ペダル(アクティブでないやつのMOZA純正)のものにして、ベースプレートに載せた場合、1098ドル=16万円弱+送料です。(以下の2つの商品を買えば3ペダルとして使えます)

16万円以上のペダルセットなので、ある程度のお金持ちか、レースSIMに対してこだわりの強い方が購買層になるかと思います。

現状、MOZAが出しているCRP2ペダルのアクセルとクラッチ(またはアクティブペダルのアクセルとクラッチ)がアクティブペダルのブレーキフィーリングの良さと釣り合っているわけではありません。CRP2のアクセルとクラッチは解像度が高いセンサーが付いており、金属で製作されがっしりしているとは思いますが、付属のバネが少し軽かったりするわけです。

そのため、より良いものを知っている人・既に所有している人にとっては、そのアクセルとクラッチが気になってしまうかもしれません。

一方初めてSIMを導入する方で、「なんかブレーキの設定ってめんどくさそうだから、アクティブペダルっていうのにしてみるか!なんかついでに振動するらしいぞ!3ペダル15万円ぐらいなら出せるかな」みたいな方にとっては、選択肢の一つとしてアリだと思います。

また、こだわり派でブレーキの調整機能が欲しい方は、ブレーキだけMOZAのActive Pedal、アクセルとクラッチは今使用されている高級な何かwを使用されるという選択もあるでしょう。または、MOZAがアクセルとクラッチのファームウェアを煮詰めるのを待つか。

また、CRP2ペダルをすでに持っていて、ブレーキだけアクティブペダルにしたいというニーズも満たせます。(この場合は、私の場合と同様ベースプレートを延長する必要があります)

とにかくフェアにお伝えすると、ブレーキペダルとして使用した時の感触は、とても楽しかったです。

もしよければXや動画にいいね等していただければ嬉しいです。

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