MOZAから発売された新製品、MOZA Vision GSステアリングのサンプル品を無償提供してもらったので、レビューでできる限り実際の使用感をお伝えできればと思います。
MOZA Racingさんから提供していただいたVision GSステアリングですが、中央のモニタにジャイロ機能があるステアリングは、業界初なのではないでしょうか。
剛性や十分すぎるボタンの数、表示機能等、多くのシステムが使用されています。全て最高級品を選定しているわけではありませんが、基本的に質感の良い素材が使用されています。
複数の変色可能な光るLED、MOZAのソフト内で自由にカスタマイズできるUI等、気になる方も多いと思います。
おかげさまでブログは、レーシングシミュレーターに関して検索すればGoogleの上位に入ることもあるところまで成長させていただいたのですが、Youtube登録者数は現時点で800人台です。
Youtubeのメディアとしては超弱小であるこのサイトのためにサンプル品を送ってくれると言うことは、ネタができるということで、とてもありがたいことです。
特に、MOZA Racing側から「こうやって書いて欲しい」とか言われていません。いつも悩みますが、ネガティブなことをも含め自由に書きました。なので、ステマに関する法律上(景品表示法)、この記事は広告には当たらないと解釈をしていますが、サンプル品を提供してもらっていることはお伝えしておきます。また、サイト内の公式サイトのリンクからMOZA製品を購入していただくと、私に数%の広告料が入ります。(月1回あるかないかの頻度で購入していただいています。ありがとうございます)
日本での販売予定価格119,900円のMOZAの最高級ステアリングを提供してもらっているわけです。そのサンプル品をいただき、レビューをする機会をいただけたという感謝の意も持ちつつも、できる限り正直に感じたことをお届けしようと思います。
ステアリングの剛性や、ボタンの品質等基本的な性能はとても高いものになっています。ただし、約12万円という価格は、ステアリングの中でも高価な部類に入ります。「自腹で買ったらどう感じるか?」という視点で、書いていきます。
- まずはMOZA Racing Vision GSレビューの結論から
- 動画は、この記事の捕捉的な扱いでアップしています
- MOZA Racing Vision GSの開封
- MOZA Racing Vision GSのエクステリアについて
- MOZA Racing Vision GSの液晶画面について
- MOZA Racingグリップ部の素材は人工の革
- MOZA Vision GSステアリングの剛性
- MOZA Racingサンプル品のパドル
- ステアリングのLEDについて
- 実際にMOZA Vision GSを使用してみた
- サンプル品からの対策予定箇所
- 右十字キーのクリック感は初めは渋かったが後で改善
- パドルの上下の配置は誤操作や、グローブの挟み込みが発生(改善予定)
まずはMOZA Racing Vision GSレビューの結論から
MOZA Racing Vision GSステアリングが良いと思った点
- ステアリングのフレーム剛性は十分
- コストがかかっていそうな分厚いM3のステッカーが選定されている
- 外装は炭素繊維の全面パネルの素材感がイイ
- 裏面の押しボタンの位置も丁度良い
- LEDのボタンについて、KSステアリングのボタンよりも押した時の質感が良いものが使われている(見た目はほぼ同じ)
- 中央の液晶はタッチパネル式で、多数のUIが用意されている。MOZA製のソフトウェア内で結構自由自在にカスタマイズが可能。
- 各スイッチ類、パドル類の操作感はしっかりしている
MOZA Racing Vision GSステアリングの気になった点
- ステアリングの親指の収まるポイントが見つけ辛い
- MOZAで一番高価なステアリングではあるが、グリップの素材が人工の革になっている。(なおFSRステアリングは本革製とのこと。)
- 青い3本線マークはプラスチック製
- パドルの接触音は、他の上級のMOZAステアリング同様音が大きめ(製品版では対策するとのことだが、今までの傾向から比較的音は大きいままになると思っている)
- ステアリングが回転した際の液晶の動きは、センサーの影響でわずかなカクつきは見られる(ちなみに水平を保つ必要がなければ、液晶を固定させることもできる)
(サンプル品より改善するとの回答を得たものは、省いています。本文をご覧ください)
動画は、この記事の捕捉的な扱いでアップしています
MOZA Racing Vision GSの開封
さて、開封からいきましょう。
2024年の5月末ごろに約15x25x37cmの大きさのダンボールに梱包されて我が家に来ました。いつも通り、角にはプラスチックの黒いプロテクターが使われています。
今までMOZAさんから複数のダンボールを中国の深圳(シンセン)から送ってきてもらいましたが、今のところ商品の箱に気になる大きな傷やヘコミがついていることはありませんでした。
後ろ側ですね。新商品、ワクワクしますね。上の箱ではVGSと記載されていますが、製品版はVision GSとのこと。
まず、箱を開けて、中の小物類が小袋に入って出てきます。それらを並べたのがこちら。
左から、ボタン用のステッカー、ボタン周りに貼るステッカー、ピンセット、パドルのネジ用の六角レンチ、取説です。
ステッカーの内容は以下の通り。
その下には、ステアリング本体がいつもの袋に入れられています。一度取り出して、写真撮らないと!と思って、再度格納したので、少しズレていますが、ロゴが真ん中になるように梱包されていたと思います。
MOZA Racing Vision GSのエクステリアについて
液晶周りの正面のプレートはカーボンファイバー製です。
上部の左右のグリグリの十字キー周りや下部の3つのダイヤル周りは、青メッキされた金属(だと思う)の装飾が取り付けられています。左右のロータリーキーは、青メッキの金属が使用され、お金かけた感があります。
一方、真ん中のメルセデスエンブレムの周囲の円が無いような3本の青いラインは、青色のプラスチック製です。このラインを周囲の装飾と同じ金属製や、LEDとかで光らせたらもっとかっこいいのになと思いました。MOZA広報の方に伺ったところ、「LEDは光が均一に発光しにくく、全体的な効果に影響するため、採用されませんでした」とのことです。いろいろ検討しての結果のようです。
各ボタンですが、白色の半透明のボタンはLEDを発行させられるボタンで、MOZAのソフトであるPit Houseにて自由に色を変更することができます。昔、簡単にまとめたものがあります。
押した際の圧力については、カッチリとした強めのボタンで、誤操作の防止を考えて選定されたボタンのようです。
また親指部分の青いダイヤルについても、硬めな操作感で誤操作しにくいと思います。
下の3つのダイヤルも金属製のダイヤルであり、質感向上に役立っています。操作感については特に問題を感じることはありませんでした。
MOZA Vision GSの外観ですが、近未来感がありますね。直径310mmというサイズは、GTホイールの標準サイズに準拠しています。
ちなみにGSV2Pステアリングの300mmに比べ、10mmだけ大きくなっています。
Vision GSとGSV2ステアリングどちらがいいか?と聞かれたら、GSステアリングを所有していないので何とも言えませんが、やはり見た目は大事な要素となるので、このレビュー記事に書かれている「気になる点」が些細なことだと思うのであれば、Vision GSを手に入れられたら良いかと思います。
カーボンファイバーやアルミニウム合金といった素材が使われています。
ちなみに、裏側ですが、左右1個ずつ、黒い押しボタンがついており、薬指でのアクセスが可能です。
MOZA Racing Vision GSの液晶画面について
この製品の目玉は、中央の円形の液晶です。大きさは2.85インチ。
FANATECがBentleyのステアリングを出すと言って結構経ちましたが、MOZAが先に同じような商品をリリースしたようです。
FANATECのベントレーステアリングと同様、ジャイロ機能があり、液晶の表示は水平を保ちます。
MOZA Racing Vision GSのカスタマイズ可能な液晶UI
10のプリセットのUIが用意されていますが、UIダッシュディスプレイを作成することも可能です。
今回は、中のパラメーターの配置をユーザー自身でカスタマイズすることが可能になりました。これはMOZAのもう一つのステアリングである、FSRには無い機能です。
レースSIM市場では複数の液晶画面付きステアリングが販売されており、SimHubなどのソフトによってその液晶画面をカスタマイズできる製品もあります。このVision GSステアリングは対応していません。価格だけ見ると高価ではありますが、カスタマイズ可能な液晶画面が付いており、Vision GSのように品質や剛性、価格が良いバランスの商品は少ないはずです。
現行FSRステアリングへの同様の機能の追加は考えていないとのこと
「現行のFSRのソフトウェアアップデートで、同様のカスタマイズ機能をつけるつもりはあるか?」とMOZAへ質問したところ、得られた答えとしては、「ハードウェアのアップデートが必要であるため、カスタマイズ機能を実装するとしたらアップデートをしたバージョンを発売した時」とのことでした。実際はどうなるか僕はわかりません。参考程度にしてください。
パラメーターのカスタマイズをやってみた
UIについては、もともと設定されているのを使用できるのが一番楽で良いとは思いますが、
玄人になればなるほど気になる方が多いと思います。
なので、頑張って触って見ました。
スピード(km/h)だけ、中央に大きく表示するようにしてみます。そこは動画をご覧ください。
8:58から再生されるはずです。(ズレてる場合は、概要欄のタイムラインをクリックするか、8:58に合わせてください)
MOZA Pit Houseのソフトの「Dash Panel」より、「新規作成」ボタンを押すと、UI作成専用のソフトが開かれます。
Textを選び、内容を右のTextの項目で変更。今回は初期値として「0」を入力。そして、上下・左右の項目をCenterにします。テキストボックスを大きくしておきました。
レースSIM内の情報を液晶パネルに連携するには、先ほど作成したTextの項目の■マークをクリックします。そうすると、どのパラーメーターを表示させるかの選択画面が出てきますので、必要なものを選定し、保存していきます。
左上のFileを選択し「Save」すると、とりあえずファイルの作成は完了。
Pit Houseに戻って、先ほど作成したUIをアップロードマークを押しすと、ステアリングで使用できるようになります。
様々なパラメーターを選択できるようなので、使用方法は無限大だと思います。
プリセットを複製して、プリセットを元にカスタマイズすることも可能ですので、好みのプリセットのUIに自分の必要なパラメーターがない場合は、追加することが可能です。このような使い方なら、負担を少なくご自身の必要なパラメーターを追加できると思います。
MOZA Racingグリップ部の素材は人工の革
マイクロファイバーレザーグリップ(人工の革)が使われています。肌触りはいいですし、しっかり編み込まれて、取り付けられています。
一方、この人工の革ですが、耐久性については私は良くわかりません。個人的には加水分解が気になるところです。どのステアリングもそうですが、紫外線や過度な湿度は避けて保管するのが無難でしょう。
以下の10万円を切るFSRステアリングのグリップが本革なので、12万円弱のMOZA最高級のVision GSステアリングも本革だったらいいのになとは思いますが、いろいろな判断があったのでしょう。
まず、「製品版では改良する」とのフィードバックをもらったことを書いておきます。サンプルで頂いた製品は、写真のように左右の端っこの革の処理が”ピロリンッ”と出ていて気になりましたので、MOZA側には連携し、製品版では改良するとのこと。(円安下の日本人にとっては、12万円の高額商品なので、細かくフィードバックしています。海外ででは、そこまで高く感じないのかもしれませんが)
製品版のFSRステアリングではぴっちり取り付けられていました。念のためもう一度書いておきますが、製品版では改良予定とのことです。
MOZA Vision GSステアリングの剛性
MOZA Vision GSステアリングのフレーム
持ったところ、捻りを加えたりしてもフレーム自体が軋んだり歪んだりすることはありません。ガッチリしています。
MOZA Racingのクイックリリース
MOZA Racingではクイックリリースの10個の鉄球をバネでホイールベースの窪みに押し付けることでステアリングを固定しています。普通に使う分には、全く剛性感が高く問題はありません。
極端に無理に押し込む方向に捻りの力(右手は押して、左手は引くみたいな力)を加えると、強力なバネ力に負けてわずかなフレックスは生じますが、そのような使い方をすることはないので心配する必要はないかと思います。
伝送方式ですが、通常のMOZAは情報伝送用のピンがバネ式になっており、故障しにくそうな作りです。
MOZA Racingサンプル品のパドル
Vision GSステアリングは、上に2枚シフト用のON OFFのパドル、下に2枚アナログパドルがあります。アナログパドルは非接触磁気センサーを使用して、精度は0.03mmとのこと。
パドルの機能については、特に問題を感じることはなく、パドルを支えるベース部分がアルミであり、しっかり剛性がある作りになってい流印象です。
MOZA Racingサンプル品のパドルの音は大きいが、改善予定
GS、RS、FSRステアリング等、グレードが高めのMOZA Racingのステアリング全般に言えることですが、パドルシフターの稼働部はアルミ。それを受け止める基礎の部分も金属です。そのためパドル操作時に金属同士がぶつかるように作られていて、カチカチ響きます。商品によっては製造時に消音パッドが貼られているものもありますし、同封されているゴムを自分で貼る製品もありました。
今回のVision GSのサンプル品は、消音パッドが埋め込まれていますが、その効果は小さく、シフトチェンジをする際にそれなりに音が響きました。
商品化の際には、パッドの厚みと硬さを増して、音を調整するとのことです。
ステアリングのLEDについて
MOZAの他のステアリングと同様、上のバー取り付けられているRPMインジケーターは、10個の高輝度LEDで16.7百万色にカスタマイズ可能。レース中の信号表示と連携も可能とのことです。
ステアリングに複数のLED、およびLEDボタンを使用されており、中央の回転する液晶もついている。それに対して約12万円という価格は、適正なのかもしれません。
実際にMOZA Vision GSを使用してみた
新型R21で使用してみた
MOZA最高峰のホイールベースである新型R21に装着し、使用してみました。クイックリリースにて、Vision GSを装着すると、各LEDが設定した通りに発行し、液晶モニターが通電されしばらくすると画面が表示されます。
新型R21のFFBについては、MOZA最高峰ということで、最大21Nmのトルクが発生します。ステアリングの剛性について何の文句もありません。そもそも、最大トルクで遊ぶことは少ないと思います。重いFFBは、ステアリングを曲げていく際にかなり体に負担がかかるので、カーブのタイミングが遅くなったりしますし、体力的に辛いのでドライビングに集中できません。また、本当に手首が痛くなり、腱鞘炎になる可能性もあると思いますので、ちょうど良い値を選択ください。
私の場合、R21だと50-60%ぐらいが丁度良く感じています。何時間も走る方はもう少し弱くてもいいかもしれません。
総じて、このステアリングに対して剛性に不満を感じることはまずないでしょう。
レース中に液晶のUIを変更する際は、液晶に手を持っていくため、片手運転にはなります。タッチパネル液晶のため、素手または指先が空いたグローブが必要でしょう。(取説やPit Houseを確認しましたが、液晶画面をステアリング上のスイッチで変更するコマンドは今のところ見つかりません。)
一番いいのは、液晶のUIを変える必要がないように、自分に合ったUIにしておくか、必要なパラメーターを並べたUIを自作すれば良いかと思います。
FANATEC Clubsport DD+で使用してみた
動画の5:23より始まるようになリンクになっています。
今回、Vision GSはもともと新型R21で使用していましたが、Vision GSの初期のファームウェアの修正を待つ日等があり、その間ホイールベースを新型R21からClubsport DD+に取り替えています。
その後、Vision GSのファームウェアが更新されたとの連絡。その流れでVision GSをMOZAのアダプターとMOZA Universal Hubを用いて、FANATECのClubsport DD+に繋げてみました。
MOZA Universal Hub Kitに、この2つと、ケーブル類が入っています。内容物は下記公式ページ内のWhat’s includedを確認ください。
私と同様、FANATECのホイールベースを使いたい場合、FANATECのUniversal HubかPodium Hubにて、MOZA製品を使用可能です。ただしその場合は金属製のQR2を使用してください。軸が長くなるので、クイックリリースにかかるモーメントが大きいため、QR1だと剛性感に不満を感じると思います。
このセットでも剛性感については、何の不満も感じません。
回転時にわずかなカクツキあり。ジャイロセンサーの反応速度が足を引っ張っている
液晶に関して、MOZAさんより事前にいただいた資料の内容は以下の通り。
超高速の1.3GHzクアッドコアプロセッサーを搭載したMOZA VGSは、ほぼゼロのレイテンシーで複雑なリアルタイム表示レンダリングを実行します。
使用されているCPUが1.3GHz quad core、および画面のリフレッシュレートは60Hzとのこと。確かに、記載の通りギアや各パラメーター等の数値については、リアルタイムに変更されています。
一方、ジャイロ機能を用いて画面の水平を取ることに至っては、ステアリングが回転した際に超ヌルヌルで画面が動くということはなく、ステアリングの回転に対する液晶画面の追従に関しては若干ラグがあることは目で確認できます。これは、ジャイロセンサー側の反応速度や解像度が足を引っ張っているのだと思います。
「高性能なCPUを使っているとのことで、ヌルヌルの画面追従を期待したが、そうではなかった」という僕のファーストインプレッションをお伝えすると、MOZAさんは以下のようなフィードバックをしてくれました。
重力感知はquad coreだけでなく、ジャイロセンサーやアルゴリズムにも影響されます。現在、最適化に努めていますが、最終的には完全なゼロ遅延を実現するのは難しいかもしれません。スマートフォンの画面回転にも一定の遅延があるのと同様です。
レース中、気なりませんが、商品説明を見て、水平を取る機能も超ヌルヌルをイメージして購入すると、気になると思うので、お伝えはしておきます。
なお、この液晶はジャイロ機能を使って、常に画面を水平に保つこともできますし、ジャイロ機能を切って、表示を固定させることもできます。
気になる方は、動画も見てみてください。人によって全く気にならない方も多いと思います。
ステアリング使用時の剛性感について
試しに、新型R21の最大トルク21Nmで遊んでみますが、剛性に不満は感じません。また、FANATECのClubsport DD+で遊んでも、もちろん最大15Nmなので、これも剛性に不満は感じません。
そもそも、最大トルクで遊ぶことは少ないと思います。重いと、ステアリングで曲がる際にかなり体に負担がかかるので、カーブのタイミングが遅くなったりしますし、辛いのでドライビングに集中できません。
総じて、この商品で剛性に不満を感じることはまずないでしょう。
親指の話
グリップのフレーム上部に親指をかけて、グリップを握り込むと、写真のようになります。
私の場合、そしてサンプル品に関してですが、その後力を込めれば込めるほど、親指が奥に吸い込まれていき、手がグリップに対して上の方に持っていかれる傾向があります。
親指をフレーム正面の上に置けばちょうど良い位置になるのでしょうが、ホイールベースに強いFFBをかけていくと、力んで親指をフレームに引っ掛けていくことになる気がします。(そもそも力むようなドライビングをしないで済むような適切なFFBに設定すべきかもしれませんが。)
これは私の手の大きさによるものかもしれませんし、より良い握り方があるのかもしれません。
親指の話に戻りますが、安全のためステアリングには親指は入れない、という記事をどこかでみた気もしますが、いろんなF1ドライバーたちをても、ステアリングに結構親指入れてますね。(画像の左手の親指はしっかりステアリングの奥の方に入れられています)
KSステアリングやFSRステアリングでは、親指の第一関節を引っ掛けてもちょうど良い位置に来ます。KSステアリングのグリップはラバー製なので、ある程度のグリップがあります。FSRの本革も滑りにくいです。親指の位置も定まりやすいです。(ある程度馴染んだからか?形状か?)
それらに比べると、僕の手では親指の位置が定まりにくく感じました。
もしかしたら、Vision GSの合皮は使っていくと馴染んでいくのかもしれませんが、今のところこのような感想になります。
サンプルのVision GSステアリングだと、素手で使う場合は親指部にステッチがあり、不快に感じる方もいるかもしれません。
これについては、製品版では改良され、親指部はステッチがなくなるとのこと。
これに合わせ、形状が変わり、親指の位置が定まりやすくなる可能性もあります。(今の所、製品版でフレームの形状を変えるという話はないとのこと)
ボタンへのアクセスは、グリップを深く握っているとグリグリの十字キーには少し届きにくい時があります。FSRステアリングやKSステアリングはこの十字キーにアクセスしやすいです。RSV2については付属のステアリングの直径が大きいので、アクセスしづらかったです。
サンプル品からの対策予定箇所
僕が、このVision GSを送っていただいたのは2024年5月の末でした。それに対し、発売日は日本時間で7月23日午前10時です。発売日の2ヶ月弱前に送ってきていただいています。結構早く送っていただいたので使用し、6月の上旬には善意でファーストインプレッションを伝えています。
MOZA Racingの中で一番高価なステアリングということで、MOZAさんに対しては細かめなフィードバックや疑問点を送っておきました。彼らの返答も記載しておきます。
いくらかは製品に反映されるようです。
ネガティブな内容は公開するかは悩みますが、もし自分が12万円弱払った場合、どう思うかな?というユーザー目線でレビューしています。(私の場合、このレビューの報酬がサンプル品のみなので、製品同様の問題ない品質のもの期待してしまう、というのは自費で購入した人と似ている部分はあると思います)
設計、品質管理に携わるような人からすると、「そこは黙っておいてあげろよ」と思うかもしれませんが。
部品の接着不良(改善予定)
ステアリングをひっくり返すと、左のスティックのキー(金属製)が取れてしまいました。原因は接着剤の量が足りなかったとのことです。うっすら接着剤を塗って固定しました。折れたわけではなく、抜けただけです。
製品版ではこのようなことは起こらないようにする、とのことで製造・検品時には情報が周知され、ある程度気をつけて制作されるのでは?と思います。
右十字キーのクリック感は初めは渋かったが後で改善
初めは右十字スティックのクリック感が渋かったです。左の方向については、強めに押さないとクリック音がしませんでした。しかし、操作を重ねていくと渋さは減り、どの方向も同じような圧力で操作することが可能になりました。購入された方で同様のことが起こっても、様子見をして使用していると、すぐに馴染むかもしれません。
パドルの上下の配置は誤操作や、グローブの挟み込みが発生(改善予定)
サンプル品のパドルシフターは、計4枚ついているわけですが、上下の間隔が狭く、グローブの素材や形状にもよりますが、グローブが、上下のシフターにグローブが挟まりやすい構造となっていました。慣れれば問題ないと思いますが、上下のパドルどうしが近いというのは誤操作してしまうこともあると思うので、ちょっと考えものかもしれません。
報告したところ、「製品では上と下のパドル形状を変更する」との回答を得ています。
MOZA Racing Vision GSレビューのまとめ
MOZA Racingさんから提供していただいたVision GSステアリングですが、中央のモニタにジャイロ機能があるステアリングは、業界初なのではないでしょうか。
剛性や十分すぎるボタンの数、表示機能等、多くのシステムが使用されています。全て最高級品を選定しているわけではありませんが、基本的に質感の良い素材が使用されています。
複数の光るLED、自身でカスタマイズできるUI等、気になる方も多いと思います。
MOZA Racing Vision GSステアリングが良いと思った点
- 分厚いステッカーが選定されていた
- ステアリングのフレームに剛性感がある
- 炭素繊維の全面パネルの素材感はいい
- 裏面の押しボタンの位置も丁度良い
- LEDのボタンについて、見た目はほぼ同じだが、KSステアリングのボタンよりも押した時の質感が良いものが使われている
- 中央の液晶はタッチパネル式で、多数のUIが用意され、MOZA製のソフトウェア内でカスタマイズも可能
- 各スイッチ類、パドル類の操作感はしっかりしている
MOZA Racing Vision GSステアリングの気になった点
- ステアリングの親指の収まるポイントが見つけ辛い
- MOZAで一番高価なステアリングだが、グリップの素材が人工の革になっている。(なおFSRステアリングは本革製とのこと)
- 青い3本線マークがプラスチック製
- パドルの接触音は、他の上級のMOZAステアリング同様音が大きめ
- ステアリングが回転した際の液晶の動きは、めちゃくちゃスムーズというわけではない(液晶を固定させることもできる)
(サンプル品より改善するとの回答を得たものは、省いています。本文をご覧ください)
最後に
もし、この記事が参考になった方等いらっしゃいましたらいいねを押していただけると嬉しいです!
コメント