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MOZA Racingの新製品SGPシーケンシャルシフターのレビュー | MASK | ブログ |

今回は、新製品SGPシーケンシャルシフターのレビューです。

MOZAさんからシフターレビューの依頼がありました!製品サンプルを無償で送って頂きレビューをしています。原稿料はもらっていません。

以下のページ内のリンクからMOZA Racingの公式サイトにて購入していただけるとその数%の収入が入るようになっていますので、もしご購入の際は、購入先の選択肢に入れていただけると嬉しいです。MOZA Racing公式から購入すると、1年のメーカー保証、中国からの発送・故障時は日本の国内拠点からの補償修理となります。

MOZA Racing SGPシーケンシャルシフターへのリンク

レビュー動画も作ってみました。

MOZA Racingのシフターについて

今回、SGPシーケンシャルシフターが発売されると、MOZAにはHGPシフターとSGPシーケンシャルシフターの2種類がラインナップされることになります。

HGPシフターは、7速までのHパターンシフター。
一方、SGPシフターは、シーケンシャルシフターと呼ばれ、アップとダウンのみの機能を持ちます。価格は130ドルの予定。

MOZAさんからは以前HGPシフターのレビューをさせていただく機会がありましたのでそのリンクを掲載しておきます。

MOZA SGPシーケンシャルシフターの開封

いつも通り中国から段ボールに入れられて届きました。パッケージも写真の通り綺麗な状態で届きました。

開封するとスポンジ状の緩衝材の中に入れられています。

商品の中身ですが、シフター本体、シフトノブ、USBケーブル、RJケーブル、スパナx2、六角レンチx1、ボルト・ワッシャーx4、取説です。

ぱっと見の外観としては、押しボタンが2つ、レバー型のボタンが一つついており、押しやすい位置にボタンがあるのはありがたいと思う人も多いかも。

使うまでの準備はそんなに難しくないはずです。まずはシフトノブを取り付けました。銃なんて使ったことないですが、暗殺しに行く時にサイレンサーを装着するような気分に。。。

シフトノブ取り付け完了!

レバーの長さは変えることができます。もともと2つのスパナが入っていて、写真のように両方からボルトとナットをスパナにかけて緩めます。

このように、多数の穴が空いていますので、お好みのポジションに再度ボルトとナットを固定すれば調整をすることができます。底面からシフトノブの一番上までの高さですが、319.5mmから約383mmまで、約16mm刻みで高くできます。

側面はこんな感じです。レバー側面ですが、多数の穴が空いており、金属の切削加工もされており、HパターンのHGPシフターやHBPハンドブレーキより工数をかけているように見えます。

On-Offのレバー式のスイッチも付いています。これは何用なのでしょう。シーケンシャルシフター付きのレースカーを実際に乗ったことがないので分かりませんが、一気にNに戻すボタンとかでしょうか?知っている方、教えてください。

下の写真の通り、使用できるケーブルは、PCへ直接接続する場合はUSBケーブル。MOZAの対応するホイールベースと接続する場合はRJケーブルになります。右にうっすらと見えますが、ケーブルはどちらも付属しています。

MOZA SGPシーケンシャルシフターの取り付け

僕はこの位置に、FANATECのシフターを置いているんですが、今回テストをするため取り外してみました。

取り外すとこんな感じです。本当だったら剛性を確保するには、左の2枚のアルミ削り出しのL字のアングルではなく、右奥に2つ見える鋳造のブラケットを使用した方がいいのですが、部材不足なので余っていたL字アングルで固定しています。

このシフターは、MOZAのHパターンのSGPシフターと同様、取り付け穴の数が豊富で、取り付けはかなりしやすい部類だと思います。次の項目で図面を貼って説明します。

MOZA SGPシーケンシャルシフターの寸法

裏面にはM6のボルト穴が8つ切られていて、直径8.5mmの穴が前後3つの計6つも空いていて取り付ける際の自由度はかなり高いと思います。シフターを伸ばして一番高くすると、319.5mmと書いているところが、測ると約383mm程度になりました。それまで約16mm刻みで高くできます。

MOZAのHパターンシフター(HGPシフター)との穴の位置関係

今、MOZAのHパターンシフターのお持ちの方で、「SGPシーケンシャルシフターと入れ替えながら使いたい」と思っている方がいるかもしれません。

HGPシフターの寸法はユーザーマニュアルから確認することができます。

少し残念ですが、上のSGPシフターとの図面を何度見比べても、穴の位置を全く共通にするというのは難しいようです。2つ以上の穴が共通になるような位置関係では無さそうです。(図面を見比べてもしあれば教えてください)

そのため、MOZAのHパターンシフターを持っていた方が、シーケンシャルを追加購入する場合は穴の位置を確保するようにしてください。ドリルで穴を開けたり、ブラケットを追加したりする方法があると思います。アルミフレームなら、ナットをスライドしてズラすこともできるかもしれません。

前後にある直径8mm強の穴で上からボルト締めする場合、アルミフレームをお持ちの方だと、ボルト位置を前後にスライドさせることができるのでそこまで苦ではないと思います。

※上の底面の図ですが、右側が手前(2、4、6の位置)側になります。

MOZA SGPシーケンシャルシフターを使用した感想

シフターの機能はしっかり果たしており、特に不満はありません。しっかりとカチカチと動作します。動作機構は単純かつ非接触のホールセンサーを搭載しているため、故障の可能性は低そうに思えます。

一方、動作機構が単純でもあり、何か大きなレバー式のスイッチを押しているような感覚になるかもしれません。もうちょっと重厚感を感じられたらな、と思ったりもします。

実際のシーケンシャル機構がどうか分かりませんし、昔、MR-Sという車がありまして、それは6速のマニュアルシーケンシャルシフターを搭載したグレードもありました。その実車と比較していものかわかりませんが、MR-SのシーケンシャルシフターはSGPシフターよりもう少しマイルドかつ重厚感があった気がします。僕の愛車はマニュアルではありますが、たまにオートマ車にも乗ります。自動車部品のオートマのミッションの+ーモードの操作音が「コクッ」・「ポコッ」という程度の音の表現だとすると、SGPシーケンシャルシフターは「カチャン」・「ガチャン」というような表現になると思います。(言葉だと限界があるので、動画見てください笑)

MOZA SGPシーケンシャルシフターには3つのボタンがある

グリップ付近にトリガー型のボタン、手元には2つのLED内蔵のプッシュ式ボタンが付いてあり、さまざまな機能を自由に割り当てることができ、利便性が向上します。LEDの色は8色用意され、MOZAハンコンの管理ソフトであるPit Houseで変更することができます。

音が結構大きい

操作時の音は結構大きいと思います。このあと分解した際の画像を掲載していきますが、クリック感を出すための機構の関係上、甲高い音が発生してしまうようです。これは、以前レビューしたHパターンのHGPシフターよりも甲高いカチっという音が発生します。壁が薄めの賃貸アパートや、家族が隣の部屋で寝ていたりする場合、深夜に遊ぶのはちょっと控えたくなるかもしれません。

MOZA Racing SGPシーケンシャルシフターへのリンク

MOZA SGPシーケンシャルシフターの分解

今回、レビューするにあたり、できる限りどのような原理で動いているのか確かめるべく、分解していきました。中に強いスプリングが使用されており、一度分解後元に戻すのに苦労しましたので笑、自腹で買われた方は、私の記事や動画を見るだけにとどめておき、分解するのは辞めた方がいいと思います。探究心があるのなら止めませんが、分解しても戻すのが大変です。

さて、上面を覆うカバーから取り外していきます。

このカバーは前後2こづつの計4本のネジで止められており、ネジ穴のベース部分は下の写真のようにシルバー色の本体と別パーツが取り付けられています。一枚の板を折り曲げて、本体を作っている関係上、こういう風に別パーツで台座を作らないといけなくなったのでしょう。(この銀色の部品は後の方の写真で登場)

右の金属が、少し前に登場したカバーを固定するための土台です。すごい小さなネジ穴が切られています。

どんどん側面のボルト・ネジを外していきます。

上部のカバーが取れました。LEDのスイッチ部分に本体からコネクタが伸びています。コネクタは、抜け防止のためかグルーガンのようなものでしっかりと取り付けられています。サンプルを送っていただいてから1-2週間の間、シフターをUSBに繋いでいたためLEDを点灯させっぱなしにしときましたが、LEDの球切れ症状は起こっていません。

太いボルト2本を外して、レバーを外せました。

下の写真は、シフターの側面ですが、3つの大きめなボルト穴があります。左が上の写真から飛び出ているように、レバーの支点となるパイプを固定しています。一番下がレバーの一番下の長い穴に入るガイドにあたるようなパイプを固定する穴です。そして右側が、クリック感を生み出すボールとスプリングが内蔵されたボルトの穴となっています。

手前の穴が支点用のパイプ、基盤に見える穴にもガイド用のパイプを通します。

少しケースの中を見てみましょう。基盤ですが、このシフターは2つの基盤が使用されており、一つがスイッチ用の基盤、もう一つが上の写真のメインの基盤です。赤と黒の線が2箇所から伸びていますが、1つがスイッチ基板へ、もう一つがトリガーボタンに接続されています。この基盤の上にホールセンサー(非接触式のセンサー)が乗っており、シフターレバーの先端の動きを察知して、シフトの動きを判別しています。

下の写真ですが、左に見える左右から伸びている黒いボルトの先端にはスプリングと金属球が組み込まれており、この後お見せするレバーの末端の部分をスプリングの力で保持します。

レバーの先端です。この複雑な機構が、大切なのでしょう。まず、この手前の銀色の部分と白いグリスが塗られている部分は、一体形成です。白いグリースが塗られている部分には裏表共通で3箇所凹みが見えます。

通常、真ん中の凹みに、両方から2つ前の写真で紹介したボールが押し付けられるような構造となっています。レバーを前後に倒すと、真ん中の凹みから、隣の深い凹みへと移ります。手を離すと、スプリングの力で真ん中の凹みへと戻ります。

各穴がどこに対応しているのか、矢印でわかるようにしてみましたが、よくわからなかったら、飛ばしてください。

左が、シフトレーバーの支点を挟み込むように配置するためのスペーサーです。これはプラスチック製のように見えます。

ちなみに支点の部分を締め込みすぎると、レバーの支点が左右から圧迫されるわけですから、レバーの動きが渋くなります。それは、ボールを支えている黒いボルトも同じなので、変に締め付け過ぎないようにした方がいいと思います。動きが渋ければ、この内部構造を理解した上で少しだけボルトを緩めたりしてみてもいいかもしれません。(僕は全く責任取りませんが)

調整のスイートスポットは狭いため、ボルトを触ったからと言って、フィーリングを自分好みにリニアに変えられるわけではありませんでした。いくらボルトの締め付けを変えてみたところで、いい感じに使えるか、使えないかの0/1の二択で、徐々にシフトフィーリングが強くなったり弱くなったり、という機構では無いように感じました。取説にも、フィーリングを調整できるとは一言も書かれていません。

一方緩めすぎると左右のガタが発生するので、支点の部分のボルトの締め付け度合いは気をつけておいた方が良いかと思います。適度な強さで締め付けてください。

全体的に金属が多用されており、一番初めに物理的に壊れるとしたら、このプラスチックのスペーサーだと思います。またはソケット部分のグルーガンの接着が取れて振動でポロリと外れる程度でしょうか。(挿せば元通り)それ以外は思いつかないぐらい、単純でしっかりした構造をしているように思えます。ボタンのLED切れとかはもしかしたらあったりするかもしれませんが。(今のところSNSで、MOZAのボタンのLEDが切れたとかいう情報を見たことはありませんが)

MOZA Racing SGPシーケンシャルシフターへのリンク

取り付けに際し、ちょっとトラブルが発生

背面のボルト用の穴1つの精度が悪く、ボルトを手でスムーズに入れることができませんでした。

試しにレンチで少し力をかけて回してみると斜めにボルトが入り、途中で止まってしまいました。今まで提供された製品でが、このような穴と遭遇することはなかったのですが、工業製品なので稀にこのような製品も発生してしまう可能性はあるでしょう。

SGPシーケンシャルシフターの互換性

背面には、PCと直接接続できるUSBソケットと、MOZA製のホイールベースと直接接続できるRJケーブル用のソケットが装備されています。

MOZAのソフト:Pit Houseの画面

テスト期間中の段階の画面がこちらです。

2つのLEDボタンの色とその明るさを変更することができます。また、シフト方向の変更が可能です。

MOZA Racing SGPシーケンシャルシフターまとめ

Good

・前後に6つのボルト用の穴があり、とても便利。
・背面に6つのM6のネジ穴があり、これも大変便利。

・HGPシフターと比べると切削加工の工数が増えコストをかけているのがわかる。例えば、ボルト用の穴の周り等随所に切削加工によるアルミの地金が見られる。グリップ部分は細かな溝が多数入っていて高級感が感じられる。

・内部を分解して確認したが、基本的にアルミが使用されており、太いボルトでレバーの位置決めがされている。横方向にレバーに荷重をかけた際の剛性も悪くないと思う。

・多少遊びはあるものの、シフト時の感覚は剛性感もありしっかりしていると感じる。

・光る2つのボタンも好感度が持てる。

Bad

シフトの際の音は、私の感覚では結構大きく感じる。HGPシフターより、高い周波数のクリック音が鳴り、HGPシフターより音が大きく感じた。

・トリガーボタンのスプリングが軽いように感じられた。せっかくシフター自体は、剛性感のあるクリック感覚があるのだから、このトリガーもスプリングを固くしたり、マグネティックシフターのような作りにして、剛性感を出せるのではと思った→MOZAより回答あり。製品版では対策するとのこと。

どのような人が買うべき?

個人的には、Hパターンシフターと、このシーケンシャルシフターを毎回取り付け取り外しを行うのは大変だと思うので、元々Hパターンとシーケンシャルを切り替えられるようなシフターを選ばれる方が後々ストレスは貯まらないかとは思います。

シーケンシャルシフター単体が欲しい方にとっては、比較的安価なシフターなのではないでしょうか。MOZAのホイールベースを持っており、XBOXを使っている方でXBOXでもシーケンシャルシフターで遊びたい方にとっては、これを購入されたらいいと思います。

僕が聞いている価格は129ドルです。単純に145円換算で19000円になります。
公式ページからだと、そこに数千円の送料が乗っかってきますし、代理店さんからだと利益も必要でしょう。ということで、日本で入手するには23000円程度になるのでは?と思ったりしています。

すぐ欲しい方は公式ページを見てみてください↓

MOZA Racing SGPシーケンシャルシフターへのリンク

Bitly

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