2024/9/14更新
2024年9月13日、FANATECを運営するEndor AG社はアメリカのナスダックに上場しているCORSAIRによって買収されました。これにより、FANATECに投入される資金は潤沢となり、さまざまな効果が期待できるでしょう。詳細は下記記事をご覧ください。
政治や経済、宗教そのた諸々の話はこのWEBサイトには持ち込まず、SIMレーシングやハンコンのことだけを追い求めるマニアックなサイトにする予定でしたが、僕がメインで使用しているFANATECブランドを運営する会社であるEndor AGの経営状況に関する話は無視できないので、まとめてみました。
※FANATECとは、PC、プレステやXBOXに対応したハンドルコントローラーを製造しているドイツの会社のブランドです。
今後、おそらくどこかに買収され、FANATECの製品は継続されて販売されるような気がします。それまでに購入をお考えの方は、経営状況が気になるかと思いますので、現状を逐次まとめていきたいと思います。購入は自己判断でお願いします。
この記事を超短めにまとめると、新経営陣が掌握していたEndor AGが破産を2024年7月末に申請。FANATECの購入・サポート・ドライバアップデートは継続されている状態。破産が裁判所に認められると50%株を持っている旧CEO&投資家グループの権利は消失するはず。8月末現在、FANATECの買収先については協議中。
僕は、経営修士号や公認会計士資格は持ってはいませんが、若い時は投機的に変な株を買ってみたり、今はなけなしの個人資産のそれなりの割合を日本円で持つ以外の方法で分散投資している程度の人間です。
海外の経理業務については、ほんの僅かにカスるようなお仕事ぐらいしかしたことがないので、今回の記事は、僕の株式投資経験や人生経験と海外の情報を総合して書いた素人評論記事として、参考程度に読んでみてください。
- FANATECの他社にないマニアックさ
- FANATEC運営会社Endor AGの株価の下落
- 2024年3月、ジャッカマイヤー旧CEOが解任
- 2024年5月、FANATECの買収先にCORSAIRが浮上
- 2024年7月、CORSAIRがFANATECに400万ユーロもの繋ぎ融資
FANATECの他社にないマニアックさ
FANATECの凄さですが、例えばiRacingの場合、FFBの設定やレブLEDの設定等をなんと車種&ホイールベースごと!に出しています。その他多数の主要SIMソフトについても設定出しがされており、その労力とそこにかける情熱・執念は相当なものかと思います。(Fanatec Forumからダウンロードできて、Fanalabを使ってワンクリックで適用することができます)
これは、本当のマニアックな社員が何名かいて、ホイールベースごとに、そして、ソフトウェア、車種ごとに継続してレーシングシミュレーターの最適解を継続して出そうとしていることが伺えます。
FANATEC運営会社Endor AGの株価の下落
コロナ禍から急騰したFANATEC(Endor AG社)の株価は2021年、7月に23.75euroを付け、その後徐々に低下の一途をたどりました。
2019年からのコロナ禍による自宅でのエンターテイメント分野の需要増加によって、SIMレーシングやステアリングコントローラーの需要は急拡大しました。その頃、ハンコンに関して、ハイエンドかつ、設定が比較的わかりやすく、周辺機器も豊富なブランドは少なく、その中でFANATECは多数のステアリングやシフター、ペダル、ハンドブレーキなどちょっと頑張れば購入できるような価格でラインナップされている数少ない魅力的なブランドでした。
その後、徐々にコロナ禍が収束していくのに反し、FANATECはスポンサー費用・不動産等の経費を増やしました。またレースSIM業界はその頃から盛んとなり、さまざまな新興のハンコンブランドが立ち上げられました。
その結果、市場がその状況と将来性を見抜き、徐々に株価が低下して行ったのでしょう。
7月27月末に破産申請をしたものの、8月末においてまだ破産が受理されていないのか、株価としてはまだ価格が付いていました。9月の段階でも一応値段がついていますが、まもなく上場廃止となり株の価値は無くなるでしょう。
2024年3月、ジャッカマイヤー旧CEOが解任
株価が下がった要因としてよく例として出されるのが、まだ製品、供給、サポート体制に対して改善の余地があると言われている中、F1、WRC、GTに多額の広告宣伝費を拠出し、ゴーカート場が屋上にある自社ビルを新たに建てたりしたことが挙げられています。
2024年3月末、FANATECの創業者である旧CEOの解任。これは、融資元の銀行に、融資の継続条件として旧CEOの解任を求められたため、運転資金が少ない会社の状況を鑑み、辞めるしか選択肢がない状況となったようです。
2024年5月、FANATECの買収先にCORSAIRが浮上
2024年5月8日のFANATECを運営するEndor AG社のプレスリリースです。
概要をまとめると、
・Endor AG(FANATECの運営会社)は経営再建についてCORSAIR® (ナスダック: CRSR) と独占交渉権を取得。融資銀行は合意。
・5月末にCORSAIRとEndor AGは経営再建に関する契約書に署名し、再建裁判所に提出。
・この計画が進めば、CORSAIRはEndor AGを完全に引き継ぎ、対外債務なしで会社を安定させるのに十分な財源を提供する予定
・この計画が進めば、株価は0になり、上場廃止となる。
CORSAIRはどのような商品を販売しているのか?
AmazonでのCORSAIR商品の広告リンク
以下のプレスリリースを読むとStaRUGというワードが頻繁に出てきます。この時、投資会社は現状の経営方針だと、貸付金の回収がうまく行えないリスクを考え、外部の資本にENDOR AGを買収させたいという意図があったようです。StaRUGという制度を利用すると、CORSAIRが事業を引き継ぐ代わりに、投資会社がENDOR AGが持つ負債の一部を免除するという意思を示しており、そこに向けて、新経営陣と投資会社、CORSAIRグループが向かっていることの表れです。
Endor AG: 戦略的投資家との独占交渉が合意 – StaRUG の意図に沿った再構築
ランツフート、2024 年 5 月 8 日– 経営委員会は、ゲーマー、コンテンツ クリエーター、PC 愛好家向けの高性能ギアおよびシステムの米国を拠点とするリーダー CORSAIR® (ナスダック: CRSR) と独占的に交渉するためのタームシートを締結しました。同社は、投資家からのさまざまなオファーに対する自由かつ集中的な調査を、融資銀行との協議を経て終了しました。これは同社の負債を持続的に削減する上での重要なマイルストーンであり、同社に明るい見通しをもたらします。
そのプロセスの一環として、取締役会は、現在の主要株主が独自の実行可能なコンセプトを作り上げようとする取り組みを含め、さまざまな投資家からのオファーを検討しました。しかし、そのような概念はまだうまく構築されていません。Endor AG は破産が差し迫っているため、企業の安定化および再編の枠組みに関するドイツ法 (StaRUG) に従って再編される予定です。デューデリジェンスの完了後、5月末に拘束力のある契約書に署名する予定で、速やかにミュンヘンの再建裁判所に提出される予定だ。
再編の一環として、CORSAIRはEndor AGを完全に引き継ぎ、対外債務なしで会社を安定させるのに十分な財源を提供する予定だ。 Endor は現在、約 7,000 万ユーロの外部銀行債務を保有しています。
再建計画の一部には、銀行による部分的権利放棄と完全な資本削減が含まれており、これにより現在の株主は補償なしで退社し、エンドアAG株は公開市場から上場廃止となる。部分的免除を通じて、貸し手は会社の継続的な存続に大きく貢献しています。
エンドーアは、法的要件に従ってプロセスのさらなる進捗について資本市場および一般の人々に通知します。
通知者:
https://endor.ag/2024/05/08/endor-ag-exclusive-negotiations-agreed-with-strategic-investor-restructuring-in-accordance-with-starug-intended/?lang=en
Matthias Kosch、CFO
その後、2024年5月15日に再度プレスリリースが出されています。上で紹介したプロセスは進んでいたようです。ただ、5月末に予定されていた、「拘束力のある契約」がずれ込みました。経営権を奪い返そうと目論んでいるであろう旧経営陣は、ここに割って入ろうと何かずっと考えていたことでしょう。
Endor AGは戦略的投資家CORSAIRとの独占交渉の一環としてさらなる措置に合意
ランツフート、2024年5月15日– 2024年5月9日に開始された再編交渉の一環として、Endor AGの取締役会は、貸付銀行と監査役会の承認を得て、CORSAIR®(Nasdaq: CRSR)との具体的な措置に合意しました。
最初のステップとして、CORSAIR は暫定的な資金を提供します。これは、会社の満期プロファイルに合わせて、短期間で分割して利用可能になります。
「独占交渉中、CORSAIR は資金力があるだけでなく、当社の市場をよく理解しており、長期投資を望んでいる信頼できるパートナーであると認識しました」と、Endor AG の CEO 兼最高再構築責任者である Andres Ruff 氏は語ります。「包括的な検討の結果、融資銀行も、他の再構築提案は破産の脅威を回避するのに適切ではないと判断し、支援しないことを決定しました。」
CFO のマティアス・コッシュ氏は次のように付け加えています。「破産を回避できたのは、献身的なチームの努力の直接的な結果です。私たちは、オープンエンドのプロ投資家プロセスの一環として、さまざまなオファーを精査し、評価しました。CORSAIR のオファーを受け入れることで、Endor の将来が長期的に確保されると確信しています。」
すでにお知らせしたとおり、Endor AG は、破産の危機が迫っているため、ドイツの企業安定化および再編に関する法律 (StaRUG) に基づき、破産手続きの枠外で再編される予定です。拘束力のある契約は 6 月中旬に締結され、近い将来にミュンヘンの再編裁判所に提出される予定です。
再編の一環として、CORSAIR は Endor AG を全面的に買収し、外部負債なしで会社を安定させるのに十分な資金を提供します。Endor は現在、約 7,000 万ユーロの負債を抱えています。
https://endor.ag/2024/05/15/endor-ag-agrees-on-further-steps-as-part-of-exclusive-negotiations-with-strategic-investor-corsair/?lang=en
2024年6月28日のプレスリリースでは、投資銀行による融資が延長されています。
Endor AG: StaRUG 手続きの一環として貸出銀行によるスタンドスティル協定の延長
ランツフート、2024年6月28日 – Endor AG(WKN 549166 / ISIN DE0005491666)は、貸付銀行が、2024年6月3日にミュンヘン地方裁判所に提出されたドイツの企業安定化および再編枠組みに関する法律(Gesetz über den Stabilisierungs- und Restrukturierungsrahmen für Unternehmen、StaRUG)に基づく再編手続きの目的および期間のために、既存のローンに関する既存の停止契約を延長したことを発表しました。
この契約の延長は、同社の財務の安定と将来の成功を確実にするためのさらなる一歩となります。
Endor は、法的要件に従って、プロセスの今後の経過について資本市場と一般市民に通知します。
https://endor.ag/2024/06/28/endor-ag-extension-of-the-standstill-agreement-by-lending-banks-as-part-of-the-starug-proceedings/?lang=en
2024年7月、CORSAIRがFANATECに400万ユーロもの繋ぎ融資
2024年7月1日のプレスリリースでは、先ほどの融資の継続について再度強調するとともに、CORSAIRからの400万ユーロの融資を受け、CORSAIRによる買収に向けて動いていると、アナウンスしています。
この時、FANATECに関する特許を取得していたと考えられます。以下のようなステアリングの意匠や、一部のダイレクトドライブハンコンの技術の特許を得たとされています。
エンドルAGは経営と資金調達の面で会社再編を進めている
- 融資銀行、停止協定を更新
- アンドレス・ラフの最高経営責任者および最高再構築責任者への任命が延長
- 戦略的投資家がさらなる流動性を提供
ランツフート、2024年6月29日– シミュレーションレーシングハードウェアおよびゲームテクノロジーの大手プロバイダーであるEndor AGは、会社の再編をさらに進めました。特に注目すべきは、StaRUG手続きの期間中、既存のローンに関する貸付銀行との停止契約を延長したことです。これにより、Endorは進行中の再編措置を効果的に実施するために必要な操作の余地を得ました。
さらに、監査役会は、当初6月末に満了する予定だったCEO兼最高再構築責任者(CRO)のアンドレス・ルフ氏の任期を全会一致で2024年9月30日まで延長した。
任期延長は、監査役会とその他の利害関係者が再編計画に信頼を寄せていることの表れです。「パートナーと協力し、ランツフート拠点でのエンドルAGの存続を確保し、構造的に健全な成長を遂げる持続可能な軌道に会社を戻すことができると確信しています」とアンドレス・ルフは述べています。
さらに、戦略的投資家である CORSAIR® (Nasdaq: CRSR) は金曜日に Endor に合計 400 万ユーロの追加流動性を提供しました。この現金注入は、投資家の Endor の将来に対する強いコミットメントを強調しています。以前に発表されたように、CORSAIR は StaRUG プロセスを通じて Endor AG を完全に買収し、外部負債なしで会社を安定させるのに十分な財務リソースを提供することが意図されています。CORSAIR と合意した条件書に基づいて、同社は CORSAIR との再編を続行しています。
この進展は、Endor AG の人員の継続性と安定性を保証するだけではありません。進行中の再編措置を効果的に実施するための財政的余裕も提供し、会社の運営の安定性を確保し、再編措置を推進することに決定的な貢献をするでしょう。
Endor AGのCFOであるマティアス・コッシュ氏は次のように付け加えています。「融資銀行による停止契約の更新とCORSAIRからの次回分割払いの振替は、当社が着手した再編路線に対する信頼と支持の強い表れです。これにより流動性が確保され、Endorグループの再編のさらなる実現が可能になります。」
2023年のブラックフライデーに注文した製品は、この頃やっと発送され届いたみたい。
昨年の11月末、48600円→25800円の23000円割引だったFormula V2.5Xというフォーミュラー型のステアリング、まだ在庫が揃いません。欧米の在庫が最近になってやっと揃ったようですが、日本はまだのよう。随時キャンセルした人には返金処理もしているようですが、商品の到着をゆっくり待っていた方もいたかもしれません。SNSを見ていると、2024年の7月ごろに、やっと届いたようですね。
2024年7月中旬、旧CEOの裁判所への訴えにより臨時株主総会の開催決定
そして、2024年7月16日、地方裁判所は、エンドルAGの株主に臨時株主総会の招集を許可しました。その時の記事がこちら。
ここでは、50%の株を持つ旧CEOで創業者のジャッカマイヤーの訴えによるものでした。
上の図は、株式の所有割合を表しています。一番左が旧CEO一族。2番目が監査委員会、3番目がAndras Sesey氏。一番右の41%は浮動株で、個人が大量に持っているわけでは無く、市場で売り買いされている株の割合になります。
この時点でプレスリリースだけを見ると、CORSAIRによる買収の方向に進んでいるようには見えましたが、それまでに50%の株を持っている旧CEO(トーマス・ジャッカーマイヤー)が、融資を引き出せるという証拠を提示できれば、裁判所はCORSAIRによる買収&StaRUGによる株価0円を認めない可能性があったと思われます。
調べた感じ、ドイツの法人で50%の株を持っていても、一人で強行採決はできないみたいですね。ただ、他の大株主の提案をブロックすることはできるみたいです。
すると、依然50%の株を持つ旧CEO家族に発言権は残り、会社であるEndor AGは依然として存続するわけで、新経営陣の立場も危うくなっていたわけです。
2024年7月末、新経営陣、株主総会阻止か?破産申請実施
全章で、株主総会を開かれると、新経営陣が不利となるため、新経営陣が先に手を打ちました。破産申請です。7月30日に破産申請した旨のプレスリリースがなされました。
詳細についてはこちら↓
ドイツでは破産申請したからと言って、会社の運営が続くことに対して問題がないみたいです。その後もCORSAIRによる買収完了までSIM用品の販売・保証・修理・ドライバアップデートはそのまま継続されました。
この時、今後どうなるかわからないFANATECで働いている末端の社員の方々の気持ちはどうだったのでしょうか。
2024年8月、FANATEC、複数の買収先との交渉を示唆
2024年8月16日のプレスリリースによると、複数の買収先候補と話し合いをしているとの発表。買収先がCORSAIR以外にも広げているようなニュアンスのプレスを出していました。こちらの記事では、その時のプレスリリースの解説を記載しています。
・FANATECユーザーとして今後の製品開発に望むこと
・ハンコンのブランドを維持、向上させていくということの難しさ
についても記載しています。
その後、2024年8月27日、ミュンヘン高等裁判所は、株主のトーマス・ジャッカーマイヤー氏側によるEndor AGの臨時株主総会の招集の決定が一時停止となったとのことです。
銀行&新経営陣&CORSAIRグループの思惑
銀行や新経営陣、CORSAIRのグループとしては、Endor AGを破綻させ、FANATECブランドを自分たちのものにしたいわけです。正々堂々と会社を買収したい場合、過半数の株が必要になるわけで(多分)すが、旧CEOの株の買取が必要になります。それができないので、ドイツ法(StaRUG)の抜け穴を使使おうと、旧経営陣を追い出していたのだと考えられます。
結局、StaRUGという制度を使用した、倒産前手続きはできず、結局破産申請に手を出しました。2社の違いをうまく説明することはできませんが、どちらにせよ、Endor AGの株の価値が無くなるので、50%の株を持つ旧CEOの株主権限を奪うことができます。
そして、旧CEOには何の権限も残らなくなる予定です。
CORSAIRは現経営陣がうまく立ち回り、安くFANATECブランドと組織を手に入れられたはず。そういう流れのはずでしたが、いまいちCORSAIRが買収すると言う明確な話が8月末には出てきていません。破産申請が受理されたらでてくるのでしょうか?
CORSAIRとFANATECの株価推移は似ている
CORSAIRもコロナ以降元気がないですね。かといって、経営状況が悪いという意味ではなく、コロナ禍の盛り上がりが落ち着いて、元に戻ったのか。毎年黒字は出ているようです。
CORSAIRの時価総額は10億ドル(1500億円)程度。
FANATEC(Endor AG)旧CEOグループの思惑
もう、今となっては、旧CEOグループに挽回の余地は少なく思えますが、念のため解説しておきます。
旧CEOとしては、これまで自分が築き上げてきたものを、このような形で奪われたくありませんでした。キャッシュが無いと言われていますが、2010年から2022年までの13年間で、12年間は黒字の会社。
運転資金があることを証明すれば、裁判所は破産を認めない可能性があったため、旧CEOサイドは投資家を集め、運転資金があることを証明しようとしてきました。
その証明ができれば、上記の銀行&新経営陣&CORSAIRグループの構想が崩れる、そして、旧CEO側が現経営陣を追い出すことを目論んでいたと考えられます。その場合、融資銀行は貸し剥がしをしたとしても、旧CEO側の投資家がFANATECに資金を投じることから、経営は継続。そう思われた矢先の破産申請。いくら株を持っていても、もう意味が無いのでは?と私は思っています。
残念ながらドイツで会社を経営するのなら、このドイツ法(StaRUG)を用いた会社乗っ取り破産は過去にも何件かあったようなので、そのリスクを知った上で経営する必要があったのだと思います。
9月13日、CORSAIRによるFANATEC(Endor AG)買収完了の発表
2024年9月13日、FANATECを運営するEndor AG社はアメリカのナスダックに上場しているCORSAIRによって買収されました。
今まで私の家に転がっていたFANATECがどうなるのかと、心配でしたが、ファームウェアやサポート等も続いていきそうなので一安心です。
経営権がCORSAIRに移り、考えられるFANATECブランドの将来
戦略上、「FANATEC」はかなりの宣伝広告費をかけてきていたはずなので、そのブランドを消し去るのは勿体無いので、「FANATEC」というブランドは残り続けると思います。
もちろん買収された今、サポートや、ファームウェアの更新も続いていくのは間違いありません。
新経営陣は、現在の体制を改善させ、収益の回復させて継続的な収入を確保するよう努めたり、企業価値を高め再上場させて資金調達をし、さらなる発展を目指ししたりするかもしれません。
CORSAIRは多数の製品を開発手中に収めているので、スケールメリットを活かした新しい発想の新製品発明の可能性もあるかもしれません。
こちらもご覧ください。
もし旧CEO側の経営権が認められていた場合
2024年8月、ENDOR AGは破産を申請したわけですが、その破産申請が裁判所に認められなかったら破産が完了せず、その後の臨時株主総会によって、旧CEO側の経営陣が、新経営陣を追い出し、CORSAIRによる買収はなされなかったといった可能性もありました。
もともと経営権が取り戻せなくて株は紙切れになると思われていましたので、それがひっくり返ると株価は一気に数倍になったことでしょう。
もし、旧CEOが経営権を取り戻してたら、このままゆっくり徐々に正常進化、といった感じになったんだと思います。
今回CORSAIRになったことで、急速な進化となるか、ゆっくり進化していくかわかりませんが、期待しながら新製品の投入を待ちましょう。
ということで、もう書くの、力尽きました。何かの参考になったらいいね!・フォローいただけたら嬉しいです。YouTubeも登録してくれたら嬉しいです。(見なくていいので)
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