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MOZA R3バンドルのレビュー | MASK | ブログ

本製品はMOZA Racingより無償提供していただき、レビューをしています。
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MOZA製品についてはR5、R9、R12、R16と次々と製品をレビューしてきました。今回は最大トルク3.9Nmを発生するR3です。この製品のポイントは、MOZA製品では初めてMicrosoftのXbox Series X/SとXbox Oneに公式対応しているという点です。

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今回はがっしり組んだ私のコクピットではなく、一般的な机で試してみたいと思います。これは、MOZA製品の中でも一番パワーの小さいR3を購入する方は、私のようなマニアックなコクピットを持っていることは少なく、まずは机に取り付けて使用する方が多いのでは?という思いから、机の上でレビューしました。決してコクピットにすでに設置しているハンコンの取り外しが大変だからとかいう理由ではありません。(?

MOZA R3まとめ

まず、一番初めにまとめを書いておきます。

・日本での価格58800円。399ドル。最大トルク3.9Nm。これはXBox対応のダイレクトドライブとしては安い。

・ペダル用端子が付いているMOZAのホイールベース(R3,R5,R12)に、MOZAのXbox対応ステアリングを接続すると、XBox Series X/S, XBox oneで使用できる。(ちなみにこれはFANATECも同じ方式をとっている。)現時点では、XBoxに対応するステアリングは、このバンドルに付属している専用ESステアリングのみ。単体でも発売予定とのこと。将来的にも別のXbox対応ステアリング発売予定とのこと。R3,R5,R12と書いたが、今後バージョンが上がって背面にペダル用端子が追加された機種も対応するはず。

・とても軽量コンパクトで設置がしやすいと思う。コンパクトなためか、1時間ぶっ続けで使い続けると、ギリギリ触り続けられる程度に本体が温かくなっていた。体感45℃〜50℃程度か。その間動作が不安定になるということはなかった。

USBケーブルをPCに接続し電源を入れてもPCで認識されない時は「S1」と「S2」ボタンを同時押しし、XBoxモードからPCモードに変更すること。

・やはり3.9Nmというトルクは、8〜9Nm, 20Nm級のハンコンと比べると必然的に情報量が少なくなるため、運転時常に感覚を研ぎ澄ませておく必要がある。

・ESステアリングは、R3もR5はフレームはアルミ鋳造製ではあるが、グリップ部がR5は革に似せた素材なのに対し、R3はポリウレンタン製となっている。

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MOZA R3の開封

箱の大きさは42x44x28cmで、結構大きいです。

箱の中に箱が入っているので、ひっくり返して取り出します。すると、底面が緑色に塗られた箱が。

通常の向きにするとこんな感じです。

ちょっと開けてみました。取説とステッカーです。少し前まで、取説やステッカーは小さな袋に半分程度のみ中途半端に入っていましたが、現在は袋の中に全て入っています。(昔の私のMOZAの記事を見ないとわからないネタかと思いますが)

先ほどの袋をとると、ステアリングが。

ステアリングを取り出し、そして、アダプタ。出力は12V 6.2A 72Wとのことです。

ボディ前面には航空機グレードのアルミニウムを使用しています。

Xの形は見た目だけじゃなく、冷却効果もあり、温度制御システムについて、自信があるとのこと。

送られてきた説明を抜粋すると、Forza Horizon, Project CARS, F1, DiRT Rally, and Assetto Corsaシリーズを含む主要なゲームに対応していると書かれています。(iRacingはどうなんでしょうか?

後ろから見た写真です。背面はプラスチックが使用されています。左上がUSB、一番右上の小さい丸いものが電源ボタンです。その隣が電源用のソケットです。また、下段は左からペダル、ダッシュモニタ、シフター、ハンドブレーキ、緊急停止ボタンとなっています。

裏の穴はM6専用です。

右側が裏の寸法です。

付属のテーブル用クランプです。

机にはこのように固定します。

クランプの底面から4つの付属ボルでR3を固定します。

特に前後に揺らしたりはしていないが、普通に使用する分には何も問題は感じませんでした。

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MOZ R3の付属ESステアリング

MOZAのR3本体がXBoxに対応しているというわけではなく、XBox One, X/Sに対応するために大切なのは、このステアリングです。MOZA R3, R5, R12にこのステアリングを接続すると、XBoxに対応します。(この3機種はペダルを接続するソケットが本体についているから、XBoxで使用可能。R16やR21はペダルを取り付けるソケットがない。)
MOZAでXBoxに対応するステアリングは発売日においては現状このステアリングのみです。今後増えるとのこと。

ESステアリングについては、R5のバンドルに入っているものとフレームやボタン配置は同じですが、大きく異なる点は、グリップ部分の素材がポリウレタン製となっていること、XBoxに対応したため、ボタンがXBox仕様になっているという点です。

グリップ表面は、肌触りが良いものの、PU素材=ポリウレタン製となります。R5バンドル付属のESステアリングがMicrofiber Leatherと呼ばれる素材(人口のもの)で本革に見えるのに対し、このステアリングのグリップは明らかに革に見えないような作りになっているので、R3同封のステアリングの方がオモチャ感は出ます。(そんなこと言ったら、数万円レベルの価格帯のハンコンのグリップはゴムだったりするので、あまり気にする必要はないと思います)

フレームはアルミ鋳造で、剛性感があり、クイックリリースについては、MOZA共通のしっかりしたものが使用されています。ボタンは合計22個あり、十分かと思います。

パドルシフトの部分はアルミ製です。この価格帯のパドルシフトとしては一般的なものです。金属が使われていますので、しっかりしていると言えます。これが初めてのハンコンの場合、気にならないと思いますが、より良いかっちりとしたシフトフィーリングを求める方は、マグネティックシフターという選択肢が出てくると思います。ステアリングを交換したり、改造するなりしてください。

まだまだ内容物がありますので、とりあえず全て並べました。中には様々なものが入っています。

MOZA R3の付属SR-P Liteペダル

これもR5についていたものと、同じだと思います。基本的に金属でできているため、しっかり感があります。

非接触センサーで、ペダルを踏んだ際の角度を読み取ります。ロードセル式ではないペダルです。MOZAはこの安いペダルでも、ペダルの出力カーブを調整できるので、もしかしたらちょうどいい塩梅に設定できるかもしれません。

各ペダルは取り外して、直接コクピットに取り付けることも可能。ペダルと本体の接続はLANケーブルにて接続します。

アクセルよりブレーキペダルが重いです。床に置いただけだとブレーキ時に必ずペダルが奥に滑っていくか、ひっくり返るのでペダルはどこかに固定する必要があります。

SR-P Liteペダル付属の粘着パッドについて

このR3バンドルにはペダル用の粘着パッドが2枚付属しています。測ると1個あたり5x12cm程度でした。少なくともレビュワーに配られたR5バンドルの時にはついていませんでした。

パッドに小さな文字がたくさん書かれていますが、ざっくり翻訳すると下記のように書かれています。

床とペダルの摩擦力を増やすため、アクセルペダルとブレーキペダルに使用してください。(3ペダルにしている場合はアクセルとクラッチに使用してください。)
注意事項:このパッドはセラミックのタイルや、木製フローリングで使用してください。カーペットでの使用は推奨しません。

ペダルの底面ですが、フラットな部分が2箇所あるのでそこにそれぞれ貼っていきます。

ここしか貼れる箇所はありませんので、ここに貼ります。

粘着パッドの感想
フローリングに貼り付けました。このパッド未使用の場合、ブレーキがアクセルに比べバネが硬く、普通に床の上に置いただけだとブレーキ時、必ずズレます。使用した感想ですが、この粘着パッドを使用するとブレーキを踏んだ時も、ペダルがズレることはありません。多少体感1mm程度ブレーキ時前のめりにペダルが浮き上がるような感覚がありますがが、この粘着パッドを使っていれば、とりあえずプレイは可能だと思います。

注意点としては、このパッドがどれぐらいの期間使えるのかがわからないところです。ペダルを片付ける際に床から剥がすわけですが、どんどん粘着力は落ちていく可能性があります。
床に貼り付けたままにする限りはすぐに粘着力は低下しにくいと思われますが、片付けを何度も繰り返す方はは、ペダルを固定する対策というのは早いうちに考える必要がありそうです。

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R3バンドルはXBox対応の”ダイレクトドライブ”のセットとしては安い

国内では2023年8月において、現状PS5が累計400万台程度、Xbox Series X/Sが40万台程度は売れているようです。
XBoxは、国内では結構マニアな人が持っているイメージですが、一方世界規模で見るとPS5が3850万台、Xbox X/Sが2200万台程度となり、日本ほどのシェアの差は無くなっています。(VGChartzによる)

XBoxの対応する製品については、各ハンコンメーカーごとに用意されており、MOZAだけというわけではありません。競合するであろうダイレクトドライブを提供しているFANATECでは、5NmのCSL DDでXBoxに対応できるよう最安で構成すると66300円+送料1000〜2000円程度となります。これは、国内代理店がR3バンドルの送料をいくらにするかにもよりますが、58800円のR3バンドルの方が8000円程度安いというのはダイレクトドライブを始めてみようとしている人の動機づけになるかもしれません。

注意点として、R3の方がCSL DD(5Nm)に比べ元々最大トルクは低いです。R3はトルクをこれ以上上げることができませんが、CSL DDについては、Booster Kitを購入すると出力を8Nmに上げることができたり、下記構成のペダルに、後でロードセルブレーキペダルを追加することもできます。SR-P Liteペダルは、ブレーキの感触を重くするMODが用意されているので、うまくやれば適正なペダルセッティングができるかもしれませんが、ロードセルの追加は今のところできないのは注意が必要です。

MOZA R3バンドルを操作した感想・注意点等

使用しているモニタはLG 34WP500-B(Amazonのプライムデーで29000円弱でした)
これはSIM用ではなく、私がネットサーフィン等の作業用に使用しているモニタです。

XBox↔︎PCモード切り替えボタンは「S1」と「S2」同時押し3秒以上
初め、PCにUSB接続してもPCがハンコンを認識しませんでした。何度もUSBケーブルを抜き差ししたり、ケーブルを変えても認識しません。PCを再起動しても認識しません。ふと、取説をパラパラ見てみてると、「S1」と「S2」ボタン(親指あたりにあるボタン)を3秒以上同時押しするとXBoxモードとPCモードを切り替えられると書いてあります!ということで、同時押しすると、PCはあっけなくR3を認識しました。

ダイレクトドライブは基本的に無音・金属が多数使用されている
下記のようなベルトドライブを探せば3万円台からXBoxに対応したFFB付きのハンコンは販売されています。それでも高価なR3バンドルを購入するメリットを挙げるとすれば、他社メーカー含めダイレクトドライブ製品は、本体が基本的に無音というところだと思います。パドルをクリックしたり、ペダルを踏んだりする音が出る程度かと思います。一方、ベルトドライブは内部のベルトやギヤから音がそれなりに発生します。

おそらく、耳にイヤホンをしてレースゲームをプレイした場合、気になる音としては、ペダルを踏んだ時の音ぐらいだと思います。奥に強く踏んだり、一気にペダルを戻した時にバネの反力で終端に戻った時に音が出るぐらいです。

4万円未満のベルトドライブと比較しても、ステアリングやペダル含め金属が多用されており、高級感や耐久性も高そうなのも、選ぶメリットと言えると思います。

路面の凹凸の情報を出すのはMOZAは得意、ただ3.9Nmの最大トルクは十分なわけでは無い
MOZAのソフトウェアであるPit Houseの初期設定は、Road Sensitivtyは最大値の10となっていました。この状態で操作をすると、路面の小さな起伏や縁石の際にこの小さい本体にもかかわらず、結構なFFBが伝わってきて、臨場感を高めます。一方、注意して欲しいのは3.9Nmという数値は決して十分パワフルでは無いということ。「ダイレクトドライブ」のイメージから、パワフルだと思って購入すると、「そこまでパワフルではないな」と感じてしまう数値かと思います。これはMOZA R5の時にも記載しています。R5の5Nmでも軽いと感じていますので、最大トルク8〜9Nm以上の製品から選ばれると「ダイレクトドライブを購入したな」という感想につながると思います。

3.9Nmというトルクの中で、路面の起伏、縁石を感じ、タイヤのゴムの”よじれ”やスリップの開始を感じるように色々なパラメーターを変更してみました。

この時、3.9Nmの制限されているトルク帯をどう使えば、より楽しく有効に使えるか悩む必要がありました。
ステアリングの切り始め等の比較的FFBが低い時の情報を強くするために、FFBをそこに集中投入するとしましょう。
急なカーブ、大きなGが継続してかかるような高速域でのカーブ等、ステアリングからの重いFFBが本来発生するところでは、FFBが上限である3.9Nmである一定の重さにすぐに達してしまい、カーブ中の微細な重さの変化を表現できなくなります。(FFBクリッピングと呼ばれます)
逆に、急なカーブ、大きなGが継続してかかるような高速カーブ中における、高FFBのの微細な変化を設定で表現しようとすると、小さなFFBの表現力が失われてしまいます。

私の場合、そのFFBクリッピングを少し妥協しつつ、小さなFFBを強めに発生してやるためにRoad Sensitivity等を高めに設定してやる。Steering Wheel Inertia (手を離した時にハンドルが暴れるのを防ぐ値)は0にしてみる等して、FFBが全体的に強めに感じるようになるように頑張ったりしてみました。するとハンコン初心者の方にとっては、元気なステアリングだと思っていただけるような設定にはなったと思います。(やっぱり、小さなステアリングでパワフルさを演出するためFFBクリッピングを許容しているためハンコンマニアな人からすると邪道と言われそう笑)

この辺のお話はまた後日アップロードできればと思います。

少しだけ心配:本体が温かくなる
約1時間継続してグリップ走行メインで使い続けると、ギリギリ私が触り続けられる程度に本体が温かくなっていました。体感45℃〜50℃程度だと思います。本体が軽量かつコンパクトなのが理由かと思います。2〜3時間ぶっ続けで走る人は少ないと思いますし、R3本体はアルミ製で冷却フィン構造もついています。今後万が一問題が出てくるようであれば本体に風を当てれば冷却可能だとは思います。メーカーもその辺のテストをした上で出しているとは思うので、気にしすぎかもしれませんが一応書いておきます。

ステアリングのボタンの数は必要十分
PCのソフトで遊んだりする際も、22個のボタンがあれば、だいたいの用は足せると思います。

以上、何かの参考になった方はいいねいただければ嬉しいです!

MOZA R3まとめ

・日本での価格58800円(送料含まず?)。アメリカでは399ドル。最大トルク3.9Nm。これはXBox対応のダイレクトドライブとしては安い。

・ペダル用端子が付いているMOZAのホイールベース(R3,R5,R12)に、MOZAのXbox対応ステアリングを接続すると、XBox Series X/S, XBox oneで使用できる。ちなみにこれはFANATECも同じ方式をとっている。現時点では、XBoxに対応するステアリングは、このバンドルに付属している専用ESステアリングのみ。単体でも発売予定とのこと。将来的にも別のXbox対応ステアリング発売予定とのこと。

・とても軽量コンパクトで設置がしやすいと思う。コンパクトなためか、1時間ぶっ続けで使い続けると、ギリギリ触り続けられる程度に本体が温かくなっていた。体感45℃〜50℃程度か。その間動作が不安定になるということはなかった。

USBケーブルをPCに接続し電源を入れてもPCで認識されない時は「S1」と「S2」ボタンを同時押しし、XBoxモードからPCモードに変更すること。

・やはり3.9Nmというトルクは、8〜9Nm, 20Nm級のハンコンと比べると必然的に情報量が少なくなるため、運転時常に感覚を研ぎ澄ませておく必要がある。

・ESステアリングは、R3もR5はフレームはアルミ鋳造製ではあるが、グリップ部がR5は革に似せた素材(人口)に対し、R3はポリウレンタン製となっている。

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参考までに↓

コメント

  1. KEN より:

     MASK様、KENです。御無沙汰いたしております。早速の「R3」のレビューありがとうございます。
     新型PS5の発売が延期になっているようで、9月からのプレイはできなくなりましたが、今回「Gamescom」でのMOZAの発表から光明が見えました。
     暫く待てば10月発売の「FORZA」をXboxでプレイできそうです。今回ステアリングホイールの方に認証チップが搭載されているとのことで、これはありがたいです。今のところシフターがつけられるのはR5とR12だけのようで、初心者の私としてはR9に対応してほしいです。
     以前MASK様が少し待てばいろいろなハンコンが・・・とおっしゃっている事がよくわかりました。
    まだ暫くコクピットはリビングに鎮座することでしょうが、その間友人宅の「GT7」で遊びます。

    • MASKMASK より:

      KENさま
      コメントありがとうございます。
      前回ご返信したとき、R12の発表が目前ということもあってあんなコメントをしたかどうかは、ご想像にお任せします笑
      XBOX対応をお考えで、予算が許すのであれば、R5よりはCSLDD/GTDDPRO,R12,DD1をお勧めします^ – ^