今回もMOZA RacingさんよりRS V2ステアリングを送っていただきました。(商品は無償提供していただいてのレビューとなります。お金は頂いておりません。)
今回送っていただいたRS V2ステアリングは469ドル相当。日本円で販売価格7万円前後?になりそうです。円安ドル高の今、またもやかなりの高級ステアリングを送っていただきました。
円高傾向なら、公式からの購入がお得になります。
この製品、以前レビューしたFSRステアリングと、ボタン等の基本的なデザインの考え方が似ていそうですね。
私が気になっているのは、FANATECのユニバーサルハブのように、土台はそのままに、気になったステアリングに自由に交換できる製品かどうか?です。その辺もこのレビューでは探っていきたいと思います。
- 私の初期型に対する印象は金ピカで、「派手」だった
- MOZA Racing RS V2の開封動画です
- 個人的な感想:今回のV2モデルは大人しくまとまっている
- 触りやすいスイッチと、配置
- MOZA Racing RS V2は本革仕様
- MOZA Racing RS V2のパドルが4つ
- MOZA Racing共通の剛性感が高そうなクイックリリース
- MOZA Racing RS V2ステアリングはステアリング交換が可能
- ドライバの更新は簡単。
- 付属品でパドルの位置を調整可能
- MOZA Racing RS V2ステアリングのパドルの音について
- MOZA Racing RS V2は3600g/330mmの重量級ステアリング
- FANATECのポルシェステアリングとの比較
- どんな人がMOZA Racing RS V2ステアリングを購入すべきか?
私の初期型に対する印象は金ピカで、「派手」だった
↓初期型のRSステアリングが発売された時、Youtube等でインフルエンサーの方々がレビューしていたのを見たことがありますが、その時の印象はタイトル通り、「派手」でした。
「日本人向けの色使いじゃない気がする…」
品質うんぬんより、色使いが気になって仕方がありませんでした。さて、今回はどうなのでしょうか?
MOZA Racing RS V2の開封動画です
メインの箱はこんな感じ。
高級感のある袋で包装されています。
シール類と、取説。取説の袋の長さが足りてない!?のはご愛敬。
個人的な感想:今回のV2モデルは大人しくまとまっている
さて、今回はというと、落ち着いた感じにまとまっていると感じました。日本人にも受け入れられやすいデザインのように思います。
前面にはカーボンファイバー柄のプレートを使用。初期型の黄色は、ハンドルのトップと、ベース部分の文字に少しだけ使用しています。
ちなみに、ステアリングのサイズは13インチ=330mmです。
触りやすいスイッチと、配置
各プッシュボタンはFSRと同様にLED内臓で、色を自由に変更することができるボタンが10個もついています。ボタンの位置もちょうど良いと思います。下側の2つのロータリースイッチも回しやすいです。
2つのロータリースイッチ(上の画像でいうと、BRAKE BIASとTC CONのところ)は前回レビューしたFSR Formula Wheelとは異なりプラスチックを使用しています。FSRステアリングと異なり、クリック機能(押しボタンとしての機能)があります。
また、上側の左右の親指の位置には全方向にぐりぐりできるスイッチが付いています。このぐりぐりできるスイッチについても、ボタン機能があり、押し込むことができます。
今回、ご提供いただいたモデルは真円のモデルですので、ドリフトにも使用しやすいかと思います。
MOZA Racing RS V2は本革仕様
ステアリングに使用されている革ですが、R5に付属の右のステアリングと同じ品質のサラサラした感触の革が使われています。個人的には、しっかりした革のように思えます。
MOZA Racing RS V2のパドルが4つ
パドルは非接触式で感知し、UpとDownシフトパドルとさらには、左右にアナログパドルがあります。パドルにセカンドクラッチを割り当てて、スタート時にアナログパドルを使用してスタートすることもできます。
上がUpシフト、下がアナログパドル。
MOZA Racing共通の剛性感が高そうなクイックリリース
MOZA Racingのクイックリリースがしっかり”してそう”、とういうのは、今までのレビューで毎回書いていますが、今回も書いておきます。
MOZA Racingのクイックリリースは10個の球でステアリングにかかる力を受け止めているため、一つ当たりのボールに加わる力が小さいです。
高トルクのホイールベースで試したわけではないので、まだ言い切れませんが、しっかりとした剛性が確保できているのでは?と推察されます。今回もR5に接続しました。
MOZA Racing RS V2ステアリングはステアリング交換が可能
分解して確かめてみました。
Φ70mm M5の、6つ穴または3つ穴があるステアリングとのステアリング交換が可能です。
MOZA Racing担当者の方に、連携していただきました。
カーボンの全面の化粧プレートとステアリングの穴にはテーパーがあり、それぞれの穴の精度がある程度あるのか、戻した際には3本のボルトでもステアリングのセンターが決まりました。
いろいろなステアリングを取り付けられるので、下のようなステアリングに交換するとフォーミュラやGTのような気分も味わえそうです。(穴の大きさや、スイッチに干渉しないか等、しっかり確認の上チャレンジしてみてください)
ドライバの更新は簡単。
MOZA Racingのソフトである、Pit Houseを起動すると、このような画面が出てきたので、青色の「Activation in one click」をクリックしてステアリングを認識させました。
そして、アップグレード用のページへ行き、Upgrade all in one clickをクリック。1クリックで、すべてをアップグレードをクリックし、ホイールベースとか、ステアリングとかペダル等のドライバを一気に更新してくれます。今回RS V2ステアリングは5分ぐらいかかりました
Pit HouseというMOZA用のソフトの中の画像。旧型のRSステアリングとなっており、各ボタンのLEDの色変更方法は書かれていません。そのためUpgradeを実施。この画面の右下のUpgrade all in one Clickでアップグレードが始まります・・・が、上の画面は変わらずでした。発売日までにはこの説明画面が更新され、LEDボタンの色の変更方法が出てくれるのではないかなと思います。
ちなみに、下側の2つのロータリースイッチを同時押しし何秒か経つと、LEDの色を変更できるモードになるので、各スイッチを教えてお好きな色に変更後、ロータリースイッチ2つを同時押ししてモードを終了させてください。
付属品でパドルの位置を調整可能
パドル位置の延長ができるように、金属製の金具が入っています。
MOZA Racing RS V2ステアリングのパドルの音について
MOZA Racingのステアリング全般ですが、パドルのカチカチ音がうるさめです。今回のRS V2ステアリングですが、素のまま使用しても、FSRステアリングに比べ少しだけ静かな気がしました。
土台や機構は同じようですが、パドル部分の部品が長いため、音がほんの少し出にくいのか?と推察しています。ただ、やっぱり素で使うと、弱めなカスタネットみたいな楽器としても使える程度の音は出てします。
消音材の取り付けには時間がかかり、効果は限定的か
MOZAさんがせっかく同封している消音材ですので、貼ってみました。前回のFSRステアリングの時もそうでしたが、この作業、少し時間がかかります。上のネジを少し緩めて、そのまま下に押し込んで…上のネジを全部緩めて…
「7万円?のステアリングなら初めから施工しておいてほしいな…」と思う人がいるかもしれません…。
FSRステアリングの時と要領は全く同じだったので、進めていきましたが、途中、不運にもアナログパドルのバネが脱落。(下の写真のバネのこと)
このバネを戻すためには、一度下の写真のようにパドルを分解し、アームを取り出して、バネをセット、アームを入れて、パドルを取り付け直すという作業が必要になりました。
取説通りの片側2か所に消音材を施工。貼るだけなので、難しいことはやる必要はありません。めんどくさいと感じるなら、そのままでも大丈夫だと思います。
実は…消音材であるゴムシートが薄く、効果は限定的でした。もうちょっとこの消音材を工夫していただけたら、高級感がより増すような気がしました。
MOZA Racing RS V2は3600g/330mmの重量級ステアリング
某他社製の同じぐらいの径のステアリングや、FSRステアリング、R5付属のステアリングと比べると、明らかに持った時にずっしりとした重みがあります。担当者さんに問い合わせたところ、旧RSステアリングは、3600gのため、今回のRS V2も同じぐらいの重さになるとのこと。(ちなみにFSRステアリングは2800gとのことです)
ご参考までにFANATECのステアリングの重さ↓です。旧BMW GT2ステアリングがFANATECでは最も重く2120gなのですが(当時調べ)、それに対して1kg以上重くなります。
重いステアリングのメリットは、重厚感・高級感があること。逆にデメリットは、非力なホイールベースを使用していると、細かいFFBの動きが伝わりづらいことだと思います。なので、今回はFSRステアリングと比較して、ホイールベースのR5からのFFBの伝わり方のみに焦点をあてて感想を述べてみたいと思います。
MOZA Racing RS V2は、R5ベースに対してはオーバースペック!?
使用してみて、ガッチリ感、剛性感が感じられます。製品としての欠陥は全く感じません。しっかりしています。一方、R5で使うには、RS V2は径が大きく重すぎると感じました。そもそもR5には、小径の円形ステアリングが付属しているため、RS V2を購入する方は少ないとは思いますが…。
この重量級ステアリングを使用するには、強力なホイールベースでないと、本来の路面の情報を腕まで伝えにくいかもしれません。(それがR9なのかR16以上なのかは、所有していないのでどうとも言えませんが…)
約800g軽く、直径も280mmのFSRステアリングと比較しながら使用しました。R5(FFBが5Nmと小さいホイールベース)で使うと、RS V2では、FSRに比べ路面情報の減少を感じてしまいます。高出力な車で試してみたところ、車が不安定になったときの挙動を感じにくかったり、FFBによって安定になるように戻すような力(セルフステア)が、FSRに比べ働き辛く、スピンしやすいと感じました。
R9やR16、R21のような強力なホイールベースであれば、この辺のことは気にしなくていいのでしょう。
FANATECのポルシェステアリングとの比較
MOZA Racingさんの資料にポルシェステアリングとの比較があったので、引用しておきます。
上記のFANATECのPorshe911 GT3ステアリングとの違いで、MOZA RS V2ステアリングが勝っているところですが、パドルのセンサーが非接触型であること。ボタンのライト機能があるところ、ボタンの機構・質感でしょうか。おそらく、価格もMOZA RS V2が少しだけ安くなりそうな気がします。一方ポルシェステアリングが秀でている点として、重量はポルシェステアリングは2200g程度、パドルは左右3つずつの計6つ、小さな液晶ディスプレイが付いている等、一長一短ありますので、ご自身の用途次第かと思います。
どんな人がMOZA Racing RS V2ステアリングを購入すべきか?
MOZA Racing社製のR9、R16 以上のホイールベースをお持ちで、ラリーやドリフトをチャレンジしたいためMOZA Racing製の320㎜の大口径の丸型、D型ステアリングが欲しい方。マニュアルシフターを使用する方。様々なステアリング形状を試したい方。
※フォーミュラやGTカーをメインで走る方も、↓このような製品を導入することで、1台2役が可能になるかもしれません。ちなみに、ステアリングの交換にはボルトを3つまたは6つ外してステアリングを交換して元に戻す必要があるので、気軽に毎回交換するような方は、初めからステアリングの2台持ちを視野に入れたほうが良いかと思います。(下記のリンクは例ですので、適合の有無についてご自身でお確かめください)
マニュアルシフターを使用するような車を運転される際は、フォーミュラハンドルではなく、丸形ハンドルを使用しないと、シフト操作後、ハンドルの持ち手を取っ手を捕まえにくくなりますし、ドリフトをする方は丸形は必須でしょう。MOZA Racing社製で、FFBが強いホイールベースをお持ちで、フォーミュラやGTステアリングを購入するか悩みまくってる人は、この丸形買っておけば、汎用性があるしっかりしたステアリングだと思います。
私が現在メインに使用しているFANATECを購入していく際は、初めはフォーミュラ型Formula V2のステアリングのみ使用していました。その後ラリーやダートをしたくなり、円形のBMWステアリングを購入しました。すると気がついたのが、フォーミュラ型やGT型に比べ、ハンドルの上の方が視界を遮り画面が見にくくなること。雰囲気が異なるので、BMWステアリング購入後もGTやフォーミュラメインだった私は、使用頻度はFormula V2が圧倒的でした。
RS V2購入後、後でフォーミュラやGTを集中してやりたくなった場合、下記のU字型のようなステアリングに取り換えてしまえば、最低限の投資で雰囲気を変えられることもできます。
市場価格はおそらく約7万円?です。MOZA Racing社製の強力なホイールベースを持っている方で、しっかりとした質感があり、将来的にステアリング交換も視野に入れている方、見た目も良いものを求めるユーザーにはぴったりな選択肢になるでしょう。もう少しコストを抑えたい方は、パドルの数等、多少機能が限定されますが、↓CSレーシングホイールもありますので、比較してみてはどうでしょうか?
MOZA Racingの購入方法を検討したページはこちら↓
円高傾向なら、公式からの購入がお得になります。
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