現在、我が家には3つのハンコンのホイールベース(モーターの部分のこと)があります。
左からMOZA Racing R5, R9、そしてFANATEC Podium DD1。
今回は真ん中のR9のレビューです。
R9は、4つのMOZA製ホイールベースの下から2番目の強さの製品です。(R5<R9<R16<R21の順)

なぜ、3つもモーター持っている理由を書きますと、ブログにこのようなレビューを投稿する代わりにMOZAさんから左の2つは無償提供していただいています。無償提供ではありますが、できる限り買う人目線のレビューを心がけますのでよろしくお願いします。

一番左のMOZA R5は、コンパクト、スムーズさ質感や剛性感の高さを感じ取れましたが、5.5Nmの保持トルクは、一番右の最大20NmのFANATEC Podium DD1の所有者からするとトルクが小さく感じてしまいました。また、ステアリング、ペダルのセットで約9万円。一般人からするとなかなか高価。
ここまでハンコンにお金出せるならもうちょっと頑張ってMOZA Racing R9以上や、今は予算が厳しいなら後からブースターキットでトルクを上げることができるFANATECのCSL DDを考えてみては?と書きました。
今回、その例のMOZA Racing R9がやってきました。
R5とR9で悩んでいる人はどちらを買うべきなのか?
R9で満足できるのか、足りないのか、という視点でレビューしていきたいと思います。
MOZA R9の結論
まず簡単に結論から書いておきます。
・本体がコンパクトなのにそこから9Nmのトルクが出てくる!大体のユーザーには十分なトルクだと思う。
・Pit Houseで細かいFFB周波数帯の調整が可能。
・体感できるトルクや情報の量が全く違うので、R5かR9で悩んでいるなら、ちょっと無理して断然こっちを買うべき。(しっかりとしたトルクが出るので、コクピットも剛性がある物を用意する前提)
・これまでダイレクトドライブを触ったことが無い人はこのトルクで十分と感じそう。R16以降、値段がぐっと上がるので、これ以上の予算が無い方は無理してR16以上を買う必要はない印象。
・20Nm出すFANATEC Podium DD1との違いは、情報量の差があった。余裕があれば、より高出力な製品も考えてみてもいいかも。
・ゲーム側、ハンコン側でしっかり初期のセッティングをしてから使いましょう。

MOZA Racing R9の開封レビュー!
届きました。箱の大きさは後で計って更新しますが、両手で軽く持てるくらいの重さ、コンパクトさです。中国からDHLのサービスを使って送られてきましたが、なんと発送が12月31日、1月4日には自宅に再配達依頼票が届いていました。結構早い。

段ボールの中はこんな感じです。綺麗なまま到着しています。
開けてみました。ACアダプタが入り切っていないです。

これが、今回箱に入っていたものの全てです。MOZA Racing R9、ACアダプタ、USBケーブル、レンチ、ボルト、取説、ステッカー、袋。
実は、よく見るとACアダプタの右からはケーブルが伸びていますが、左からは…伸びていません。ケーブル(このACアダプタからコンセントまでのケーブル)の入れ忘れのようです!
某F社のDD1用のACアダプタ用のケーブルをそのまま使用できたので問題なし!

MOZA R9はV1とV2がある。
2023年1月現在、この↓ESステアリングに対応したV2と対応していない初期型のV1があります。
違いはそれだけです。
今回送っていただいたのはV1です。
端子が3つなのがV1(左)、5つなのがV2です。


以下、現段階での私の推測の超未確認情報。(誰か教えて)
R9 V1本体は、ステアリングのボタンの入力を無線機能のみで感知する。
R9 V2はボタン入力の感知に無線機能と、有線機能が付属している。
嘘かも。確認中!!
ESステアリングには無線機能が無いため、無線機能のみ受け付けるV1ステアリングでボタンの使用ができない
ということで、無線機能が無い安価なステアリングは端子が5つ無いと使えない。もしMOZAがES含め将来出すかもしれない安価なステアリングも購入対象に考えているならV2を選択した方がいい。逆に無線認識をメインとする高価格帯のステアリングしか目が無いのであればV1で十分だと思います。(これもご意見があれば、Twitterにでもコメントをお願いします。。)
MOZA R5とR9の外観比較レビュー
見た目や質感は同じです。外装はアルミが使われています。よく見るとR5よりケースが大きかったり、軸が長いです。約1.7倍のトルクを発生するわけですが、中のモーターも大きくなるため、サイズも大きくなります。
MOZA R9重量:4640g(公称4620g)

MOZA R5重量:3327g

上からMOZA R5,R9, FANATEC DD1。


MOZA R5とR9の機能比較レビュー
後方にある端子数やボタンは同じです。

ハンドブレーキがMOZAより発売されています。また今後はシフターが出るとの噂も。(Universal Hub後方にShifterと書いている)
ただそれを直接繋げられるようなソケットはR5やR9についていません。ハンドブレーキは直接PCへUSB接続するか、MOZAが販売しているUniversal Hubを使用することで使えます。

↓Universal Hubについて記載
MOZA R9をハンコンコクピットに取り付ける
8/18更新 R9の取り付け用ボルト穴サイズを「M5」と書いていましたが、MOZAに確認したところM6とのことです。
今回はここに載せます。R9の穴の位置は前方にM6が2つ、66mm後方にM6が2つです。
FANATECと穴の位置が共通ですので、だいたいの市販コクピットならそのまま使えると思います。

僕のハンコン用のコクピットはミスミにアルミフレームを発注した自作でして、穴の開いたL字の金具を後方に2つ。前方に穴をドリルで1つ空けています。これでFANATECはOKですが、MOZAの場合は、前方に2つの穴が必要です。今回はとりあえず後方の穴2つでとめてレビューさせてもらいます。

コクピットのL字の金具が結構分厚くて、付属のボルトでは長さがギリギリ足りはしましたが、心もとなかったので、自分が持っていた予備のM5ボルトを使用。
高い出力を出せるのに、とてもコンパクトなため、モニタの設置の自由度が増します。

USBや電源を取り付けて、PCやコンセントに繋げました。ちなみにこのACアダプタ、緑色に光ります笑
この光り必要なのか?!

MOZA R9をPCに繋げてみる
MOZA R9をPCと電源に接続し、後方の電源ボタンを押すとこのような画面が出てきます。その後、更新を行いました。

MOZA R9レビューの前に、iRacingでしっかり設定する。

使用したステアリングはFSRステアリングです。
まず、しっかりと設定をしない限りは、FFBについて語るのは問題があるので、しっかり設定を煮詰めていきます。SIMソフトの中で一番慣れているiRacingを集中的にレビューしたいと思います。
MOZA Pit house内の設定のデフォルトの「GT」モードや「Formula」モードをもとに設定していきました。よく遊んでいるPorsche911 GT3 CUP (992)を使用。停止している状態で、ハンドルを動かしてみました。ハンコンの中にドロッドロの水あめを詰めてるかのような、重いむめっとした感触が。これの正体は、タイヤのゴムの感覚ではなく、Friction(摩擦)でした。初めて触る方は、ゴム感があると思うかもしれませんが、やりすぎな気が…。
自分の油圧パワーステアリングの愛車でも、ある程度この「ぬめっ」とした感覚があります。パワステが無いような車に乗ったこともありますが、スピードがある程度でるとそこまでヌメっとしなくなった記憶が。そういう数少ない私の経験から判断するに、デフォルトはちょっとヌメっとしすぎな気がしたので、Frictionをちょっと少なめに調整。
直線ではコツコツと路面の起伏をフィードバックしてくるけど、カーブ中に空飛ぶ絨毯の上にいるような、ただ単にステアリングが重くて浮いた感覚。何が悪いんだろう?と考えて、減衰を落としたり、低周波数帯の振動を上げたりした。でも、改善されない。
iRacingの最大FFB設定が20Nmになっていましたが、それを「auto」にすると、34Nmになり、カーブ中に高負荷がかかった時の微細な表現がされるようになりました。その分、高負荷がかかっていない時のトルクは小さくなりましたが。それだと足りない場合は、より高トルクのハンコンを買うしかありません。最大トルク20Nmを発生できるMOZA R21やFANATECのDD1クラスだと、この辺の不満がより少なくなるわけです。
この最大トルク設定については、後日特集記事を作成予定。

MOZA R9走行レビュー
iRacing側の設定は完璧。MOZAのソフトであるPit Houseもちょくちょくいじっていきました。
先ほど書いたようにFrictionがちょっと大げさだったので小さくしたり、縁石での衝撃がもう少し欲しいなと思って10Hzを少し上げたりしました。

でき上がった設定では(後で公開)、カーブ中に一番負荷が大きくなり、カーブ中も路面のうなりだとか入出力の変化が分かる程度にし、縁石に乗った時の衝撃も伝わるといった具合の設定になっています。そのような設定ができるような設定余裕が9Nmにはあります。(言葉でしか表現できませんが…)
※MOZAにはPit Houseというソフトで上記のようなトルク特性を調整できます。また、スマホにソフトをダウンロードするとそこからFFBの調整も可能です。
カーブ中、路面の変化をFFBとして伝えるために、カーブ中のFFBをMaxとすると、直線等での小さな変化は相対的にFFBの変化として小さくなりますが、それはPit House内での上記カーブを少しいじってやれば調整して改善することもできるかもしれません!(限界はあるでしょうが、この周波数に応じてFFBの強さを設定できるのもMOZAの強みだと思います。)
ちなみに、最大トルクを設定したカーブ中の出力ですが、どれぐらいかと言うと、小柄な私が片腕でカーブするのが辛い程度。(急なコーナーでも片腕のみでどうにかクリア可能。頑張れば片手でも手アンダーは出ない)両手だとまぁまぁトルクあるな。と言う程度です。F3でも試しましたこの傾向は変わりません。ちなみにDD1をフルトルクにすると、両手でも完全に曲げられませんし、片手だと絶対無理です。この20Nmクラスのハンコンはそれぐらいの余裕があるので、表現できる情報もそれに従い豊かになります。とはいうものの、初めてのダイレクトドライブのハンコンとしてこのトルク、十分かと思います。ただ、大柄な方やフォーミュラのパワーを体感したい、より良い製品が気になり買い直しは嫌だ、と言う方は予算に応じそれ以上のトルクが発生する製品を購入された方がいいかと思います。
R5で349ドル 日本の代理店での販売無し。
R9で438ドル 日本の代理店で6万5000円ぐらい
(FANATEC CSL DD 8Nm とちょうど同じぐらいの価格設定)
R16で999ドル 日本の代理店で15万円ぐらい。
R21で1199ドル 日本の代理店で17万円ぐらい。
という値段を考えると、R5買うならR9。ってならないでしょうかね?
今までMOZA R5だけでMOZAのステアリングをレビューしていて、FFBが弱かったので、レビューの中心は、ステアリングの質感でした。でも、これからはある程度、使用した感想とかもしっかり書かれるかも知れません。



購入するならMOZA R9か? FANATEC CSL DDか?GT DD PROか?
実はGT DD PROを購入し、Booster Kitで8Nmにして比較しました。
FFBの質は、MOZA R9の方がスムーズさがあります。また、FANATECの新型クイックリリースが出たらどうなるかわかりませんが、クイックリリースについてはMOZAの勝ちです。
一方、MOZA R9はプレステには公式対応していませんので、プレステやXBOXで遊びたいとなると自動的にGT DD PROになると思います。
それではCSL DDとはどうなのか?と言うと、MOZAの方が、ステアリングやペダルが金属を多く使用しているからか少し高いので、総額で言うと若干MOZAがお高くなります。
結局は、予算はどれぐらいか?どちらのブランドが良いか、どのステアリグを使ってみたいか、というところになると思います。

R9とCSL DDと迷っている方は、CSL DDのプレステライセンスバージョンであるGT DD PROと、R9の比較を書きましたので、こちらもご覧ください。
MOZA R9の電源が落ちる問題は解決したのか?
日本国内の100V電源だと、使用中にR9が停止してしまう問題が報告されていたようです。
担当者さんに問い合わせたところ、2022年12月中旬にすべてアダプタが改良され、電源アダプタがバージョンアップされたとのこと。(その後SNSでも電源落ちの報告は見られましたが、今はどうなっているのか不明)
担当者さんから連携していただいた写真。(載せてOKとのこと)
対策済みのアダプタの写真。工場のほんの一部の様子ですが、見ていて興味深いです。

MOZAとFANATEC二刀流の人は注意
写真はMOZA R9とFANATEC Podium DD1の電源のコネクタです。FANATECのDD1と端子形状は同じだけど、そのままつけたら電流の向きが違うそうで、壊れるらしいです。某Youtuberさんが壊してました。その方や、私みたいに併用している変な人は気を付けないといけません。Youtuberやレビュワーや、SIMショップさんぐらいじゃないと、こんな複数社のダイレクトドライブ持たないと思うので…ほとんどの人には関係ないと思いますが。

再びMOZA R9レビューの結論
もう一度結論を書いておきます。
・本体がコンパクトなのにそこから9Nmのトルクが出てくる!大体のユーザーには十分なトルクだと思う。
・Pit Houseで細かいFFB周波数帯の調整が可能。
・体感できるトルクや情報の量が全く違うので、R5かR9で悩んでいるなら、ちょっと無理して断然こっちを買うべき。(しっかりとしたトルクが出るので、コクピットも剛性がある物を用意する前提)
・これまでダイレクトドライブを触ったことが無い人はこのトルクで十分と感じそう。R16以上の製品になると、値段がぐっと上がるので、これ以上の予算が無い方は無理してR16以上を買わなくてもR9しか知らなければ満足できるかも。
・CSL DD/GT DD PROと比べると、FFBのスムーズさ、改造感の高さはR9の方が上のように感じた。また、クイックリリースも、今のところFANATECよりMOZAの方が良い。
・20Nm出すFANATEC Podium DD1との違いは、情報量の差があった。余裕があれば、より高出力な製品も考えてみてもいいかも。
・ゲーム側、ハンコン側でしっかり初期のセッティングをしてから使いましょう。

少し前までは円安が激しく公式HPでの購入はお勧めできませんでした。
円高傾向の今、公式ページだとお得だったり日本で売ってない商品がある場合もあるので、日本代理店と比較してみるのもいいかもしれません。
また、もしよければいいね、フォロー、コメント、よろしくお願いします(*^_^*)
コメント
>>今回はここに載せます。R9の穴の位置は前方にM5が2つ、66mm後方にM5が2つです。
FANATECと穴の位置が共通ですので、だいたいの市販コクピットならそのまま使えると思います。
と書かれていますが、M6だと思います
気付くのが遅くなってしまい申し訳ありません。
おっしゃる通り、MOZAに問い合わせたところ「M6が正しい」とのことなので、先ほど本文を修正しておきました。
ご丁寧にコメントしていただき、ありがとうございました。
いつも詳細でいて軽快なレビューを楽しみにしています。
おっさんの本気です。
この度、私もR9を入手したのですが、ACアダプターからカチカチという音が頻繁にしており、故障なのか仕様なのか分からない状態です。
そこでお願いがあります。
アダプターから音がするかどうか教えてください。
よろしくお願いいたします。
おっさんさん(?)、お久しぶりです。
今までさまざまなMOZA製品を使用しましたが、アダプタの音が気になったことはありません。(気にしてないだけかもしれませんが・・・
先ほど”特別に”R9に通電して(電源ONまで)軸をぐりぐり触ってみたりとかしましたがが、無音と言ってよく、そんな音はしませんでした。
お久しぶりです。
さっそく検証いただき、ありがとうございます。
カチカチ音は、走り出すと鳴り、それ以外の時は一切鳴りません。
特別にお時間をいただき、おいそがしいなか、検証頂いたにもかかわらず、私の言葉足らずをお許しください。
代理店さんにはアダプターの交換をしてもらいましたが、症状は改善されず、仕様なのか本体側の問題なのか分かりませんでした。
本体もそこそこ熱を持つので、何か問題があるのかもしれません。
この度は、貴重なお時間をいただき、ありがとうございました。
本日、R9にめちゃくちゃ負荷をかけて鈴鹿5-10周ぐらい走って、その後普通のセッティングに戻して15周ぐらいのレースに出場しました。
負荷の掛け方として、ほぼ全てのカーブでFFBクリッピング状態になるように、設定。
高負荷の5-10周後、R9は触れるか触れないか微妙な熱さになるぐらいでした。
約15周のレース後触りましたが、先ほどの暑さとほぼ変わらずな感じでしたので本体が熱を持つことに関しては僕のR9も同じようです。
座席から1mぐらい離れたところにアダプタを置いていましたが、電源から音は聞こえませんでした。
ご参考にしていただければ幸いです。
この度は、より厳しい条件で追加の検証をしていただきありがとうございました。
販売代理店さんに返送したところアダプターからの異音が確認され返品、返金の対応をいただきました。
また、その販売店さんは、同様の不具合が出ても返品、返金対応のみで、根本的な解決策がないという理由でR9の購入はお勧めできないとの回答でした。
別の販売店さんに異音の件などを相談したところアダプターのトラブルに対応済みと言うことでしたので、そちらで購入し直し、不具合なく久しぶりのレースシムを楽しんでいます。
記事の中で紹介されている電源が落ちる問題に関わる不具合ではないかと思います。
手元にある正常品は、不具合があったアダプターとはサイズもデザインも異なるものでした。
この度は、貴重なお時間をいただきありがとうございました。
このやり取りが、記事の内容やメーカー様との関係に支障をきたす可能性が少しでもあれば、どうぞ削除ください。
これからも記事を楽しみにしています。
またいつか私の記事を参照して頂けるように、もう一度ブログに挑戦するつもりです。
おっさんの本気